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ソウルで地震が起きたら…衝撃的な結果が

ソウルで地震が起きたら…衝撃的な結果が

Posted January. 23, 2007 07:05,   

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江原道平昌郡(カンウォンド・ピョンチャングン)で20日に起きたのと同様の規模の地震がソウルや釜山(プサン)、大邱(テグ)などの大都市で発生したらどうなるだろうか。

国内でも地震の状況を想定して被害規模を予測するシミュレーション・システムがあり、同システムを通じた予測結果を発表していたことが、22日、確認された。

政府が昨年8月から使用している地震災害対応システムは、地質情報や建物情報などの基礎的なデータをもとに、特定地域に地震が起きる場合の建物と人命の被害状況を予測できる。しかし、シミュレーションの結果はこれまで外部に公開されたことはない。

▲マグニチュード5.0以上の地震がソウルで起きれば大規模な被害〓同システムの駆動の様子を見守ったある民間専門家は、「ソウル鍾路区平倉洞(チョンノグ・ピョンチャンドン)から北西側に1.39キロ離れた地点(緯度37.62、経度126.96)でマグニチュード5.2の地震が30キロの深さで、午後3時48分頃発生したという想定のもとでシステムを作動してみた」と述べた。

結果は衝撃的だった。ソウルや京畿道(キョンギド)、仁川(インチョン)地域が全て被害を受け、6万293棟の建物が崩壊(全壊)し、3万6197人が死亡する人命被害が出るという結果が出たもの。ソウル市内では5万2530棟の建物が崩壊し、市民2万7640人が死亡する。

同システムには全国650万棟の建物についての基礎データが入力されており、全体人口は4859万人に設定されている。震源と発生時間、緯度や経度、規模などを入力すると、市道別のみならず、邑面洞の単位まで、建築物の被害や人命被害の状況が現れる。

しかし、11億ウォンを投じて8ヶ月で開発した同システムはまだ精巧さを欠いており、正確な予測というより内部参考用に過ぎないというのが政府関係者の説明だ。

同システムの諮問に参加したある民間専門家は、「平倉洞地震のシミュレーションの被害結果は、相当誇張されているようだ」と分析した。ソウル大学の張丞弼(チャン・スンピル)教授は、「しっかりシミュレーションをするためには、家屋の分布や建物の脆弱性のみならず、消防署の位置まで精密なデータを入力しなければならないが、このためには膨大な予算や努力が必要だ」と語った。

ソウル大学地震工学センターがソウル市とともに99年に実施したシミュレーション結果もある。江南(カンナム)駅から27.3キロ離れた南漢山城(ナムハンサンソン)周辺で、マグニチュード6.3の地震が発生した場合、江南駅周辺1キロ以内の建物被害状況を予想した研究だった。

西暦1989年、南漢山城周辺で同様の地震があったという歴史的な事実に目をつけて設定したものだ。低層のレンガ作りの建物のうち20〜30%が半壊以上の被害を被り、マンションは10%ぐらい被害を受けたことが分かった。同調査は狭い地域で行われ、直接建物の実態調査まで行ったので、より精密な調査と評価されている。同実験では人命被害は除外した。

▲国の耐震目標は数字で設定すべき〓実際に被害が起こりうる地震はマグニチュード5.0以上だ。壁にひびが入り、ガラス窓が破損するなどの非構造的な被害が、建物が崩壊する構造的被害へとつながる境目だ。

消防防災庁のチョン・ギルホ研究官、「マグニチュードが1.0高くなると、地震の力は32倍増える」と語った。マグニチュード6.0の地震は5.0に比べて破壊力が32倍も強いということだ。

国内の地震への備えは脆弱だというのが多くの専門家の指摘だ。ソウル大学地震工学センター所長の金在𨛗(キム・ジェグァン)教授は、「マグニチュード6.5以上の地震が起きないように祈るしかない」と語ったほどだ。

政府は1988年から6階以上の建物についての耐震設計を義務付けた。1992年には道路や橋に、2005年は3階以上の建物に広げた。しかし建設交通部の資料でも6階以上の建築物の60%と橋やトンネルなどの主な交通施設の27%以上が耐震設計ができていないことが分かった。

金教授は、「書類上、耐震設計ができている建物も信じられない」とのべた。耐震設計の基準が地震の荷重を考慮した程度で、鉄筋などの建物の安定性に影響を及ぼす部分まで細かく規定されてはいないという。金教授は、「今回の地震を国家的な地震対応能力を点検するきっかけにすべきだ」と語った。金氏は「上半期に立法予定の地震災害対策法では、『このような規模の地震が発生した場合、この程度に被害を最小限にとどめる』というような定量的な国の耐震目標の設定が盛り込まれるべきだ」とアドバイスした。



kimkihy@donga.com