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[オピニオン]トライバリズム

Posted January. 26, 2007 06:27,   

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原始部族社会は、特定の部族が中心となる共同体社会だった。規模も小さく構造も簡単だった。しかし、そのような部族社会はほとんどなくなっている。その代わりに現代社会は新たな意味の部族(Tribe)が存在する。アイデンティティーや特定の考え方を共有する集団としての部族だ。狭義の意味では特定会社の従業員や特定の学校の卒業生を意味し、広義では人種や民族、国民も現代の部族と言える。その意味で、現代の「トライバリズム(Tribalism)」の影響力は無視できない。

◆現代の指導者たちが市場や地域的安定性に影響力を行使するに当たって、現代の部族間の関係に対する理解は、より的確な判断と対処のカギとなる。スイスのリゾート地であるダボスで一昨日開幕した第37回世界経済フォーラム(WEF)で話し合われる様々なキーワードにトライバリズムが含まれたのが目立っている理由は、そのためだ。約2400人の世界の首脳たちが顔を合わせ5日間も続く今回のフォーラムでは、223回のワークショップや討論会及び昼食会・晩餐会などの場で、地球の未来が議論されている。

◆トライバリズムの他にも、目を引くいろんなキーワードがある。インターネット社会のネットワークにおいてユーザーが情報の中心となる「ウェブ2.0」や、コンピューターウィルスやデマが瞬時に広がる情報感染病を意味する「インフォデミクス(infodemics)」、2〜30代の専門職独身者の経済的影響力が拡大している現象を意味する「シングルエコノミー」、石油輸出国の政治的立場の強化を意味する「石油政治(Petropolitics)」も、「変化する力の均衡」という全体テーマで開かれる今年のフォーラムにおいて、目立つキーワードと挙げられている。

◆このフォーラムへの参加者の3割は、企業の会長や最高経営者である。大統領と首相が24人、長官85人、国際機関の首長58人のほか、NGO代表31人、メディア業界のトップ270人も含まれている。韓国からは、盧俊亨(ノ・ジュンヒョン)情報通信部長官、金鉉宗(キム・ヒョンジョン)外交通商部通商交渉本部長をはじめ、財界や学会の著名人たちが出席する。だが、国の将来を担うと言っている大統領候補の中には、関心を寄せる人がいないようだ。票につながらない遠い国のこととしか思わないだろうか。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com