Go to contents

テッキョン、体を丸く揺らすたびに気持ちも丸くなる

テッキョン、体を丸く揺らすたびに気持ちも丸くなる

Posted February. 09, 2007 06:46,   

한국어

テッキョンは丸い。曲線だ。膝を曲げたり伸ばしたり、身体を柳のように曲げたり伸ばしたりして、見ているだけでおのずと興趣が湧く。そればかりではない。体を左右に揺らしたり、肩を上げたり下げたりする。ある時は農楽のステップを踏んでいるようで、ある時はタルチュムを踊っているようだ。テッキョンには殺気がない。全ての動作に必ず「のらりくらりする緩衝動作」が隠されている。蹴りも曲線で入る。反面、テコンドーの蹴りは直線的に短く切って蹴る。

テッキョンの特徴は、「ヌンジルギ」にある。ヌンジルギの「ヌ」は「柔らかい、遅い」という意味。相手を怪我させずに倒す技だ。その分、ヌンジルギは瞬間的に力を節制しなければならない。テッキョンは相手の急所を打たない。急所を打てば反則だ。代わりに、額、わき腹、太もも、肩などのような所を目標にする。攻撃者も手の平や足の裏のように柔らかい部分で攻撃する。私の体の柔らかい部位で相手の硬くて比較的に安全なところを攻撃するわけだ。足の裏で相手のくるぶしを打って倒したり(アヌゴリ)、足の裏で相手の頬、肩、太ももなどを押すように蹴ったりする(キョッチギ)のがそうだ。緩衝動作のない「真っ直ぐな蹴り」は反則だ。テッキョンではどんな技でもよいが、必ずヌンジルギでなければならない。下手は相手の足を蹴り、一枚上の人は相手の肩を蹴り、上手は相手の髷(まげ)を蹴る。

テッキョンでは相手の膝より上の部分を地面につかせれば勝ちだ。両足蹴りで相手を二歩以上退かせても勝つ。蹴り技で相手の首より上の部位を攻撃して、相手のバランスを顕著に崩しても同じだ。

テッキョンの魅力は組み手にある。技を競うが、相手を怪我させない。手技や足払いには相手を配慮する温かい気持ちが込められている。組み手が一段落すると、お互いに談笑を交わす。村の祭りの時、「誰が上手か」競ってみるだけだ。端午の節句の時、シルムと一緒に盛行したのもそのような理由からだ。

テッキョンを学んでいる人の中には、特に家族連れや女性が多い。生活体育同好会には、還暦を過ぎたお婆さんも珍しくない。それだけ動作が柔らかいからだ。イム・ミヨン(34、4段)富川(プチョン)伝授館長は、「年を取った方々も休まずに練習すれば、体が柔らかくなる。子どもは膝を曲げたり伸ばしたりしている間に成長版が刺激されて、伸び伸びと背が高くなる」と話す。富川伝授館032—3232—666。昨年、女子最高手戦で2位を獲得した朴ウンヘ(15、2段1品、仁川清川女子中)ちゃんは、「ちょっとしただけでも汗だくになって、ストレスが解消される。元々背が低かったが、今は166センチまで高くなった」と話した。ヨガ講師の夫婦チョン・ゴン(34)—チェ・ハラン(30、以上3品)さんは、たまに家で「夫婦同士の組み手」までするという。チェさんは、「ヨガは静的だが、テッキョンは動的で瞬発力と敏捷性が育てられる。また、関節に全然無理がない。蹴り技がとても素敵だ」と話す。

親子が一緒に学ぶ場合もある。クォン・スンホン(43、3品、教師)さんとヨンファン(11、5品)君がその主人公。クォンさんは、「いつの間にか体の疲れが取れる。何より息子と一緒に汗を流しながら、対話までできて嬉しい」と話す。ヨンファン君は、「たまに父の姿勢がおかしい時は、僕が指摘したりする」と言う。カン・ジョンヒさbb(40・教師)は二人の息子の李チャンム(7)、スンム君(5)と一緒に学び始めて1ヵ月の無品の実力。カンさんは、「柔らかい上に運動までできるからぴったりだ。子どもたちが韓国固有の芸を身につけることができて嬉しい」と話す。学んで2ヵ月半になったユ・インガプさん(54・8品・自営業)は、6ヵ月前、大腸ガンの手術を受けたが、2ヵ月前からテッキョンの魅力にはまった。ユさんは、「消化もよくなり、疲れがなくなった。体の柔軟性が目立ってよくなった」と笑顔で話した。

テッキョンは楽しい。武術と遊戯が備わっている。必殺の意志で足払いをしない。身体を保護する装具もない。その分、節制して相手を配慮しなければならない。そうするためには、体が硬いと駄目だ。柔らかく体を絶えず動かしながら体を弛緩させる。足払いは全ての武術の原形質(DNA)だ。テッキョンの足払いは「プムチャパプキ(三角踏み)」だ。三角形、または逆三角形の三つの頂点を行き来しながら、重心移動をする。この時、両手を振る動作は平衡感覚を維持するための自然な行動だ。テッキョンの気合い音は独特だ。「イ〜ク!」「イ〜ク!」。人が自分も知らないうちに無意識に吐き出す生命の音だ。「イ〜ク!」と、一度気合を入れる度に丹田が鳴り、それは丸い身振りに変わる。テッキョンは「息」と「踊り」の間にある。



mars@donga.com