Go to contents

[オピニオン]ハシカゲーム

Posted June. 01, 2007 03:21,   

한국어

後進国型の伝染病であるハシカが日本を襲っている。今年に入って、東京都を中心に発生したハシカは、埼玉県など周辺地域に急速に広がっている。東京都では小中高生の感染者だけでも250人を超え、5つの学校が一時休校に追い込まれた。大学生の感染者はこれよりさらに多い。早稲田大学をはじめ、東京にある7、8ヵ所の大学がキャンパスを閉鎖したほどだから、「先進国日本」のイメージは大きなダメージを受けた。

◆ハシカは、先進国では公式に撲滅された伝染病だ。なのに、日本でハシカの集団感染が起きたのは、ワクチンの接種率とも関係がある。1978年、ハシカワクチンの義務接種が廃止され、現在の10代や20代の約10%が予防接種を受けていないためだ。さらに、1998年、MMR(ハシカ、おたふく風邪、風疹)のワクチンが自閉症を引き起こしかねないという科学専門誌「ランシット」の論文発表以来、ワクチンの接種率はさらに下がった。しかし、6年後、論文の著者たちは内容のミスを認め、この論文は撤回された。

◆ある社会でハシカのような伝染病が拡散するのには、予防接種率をめぐる複雑なゲームが働く。ワクチンそのものの副作用や接種の際のショックの危険のため、多くの両親は自分の子供にだけは、予防接種をさせたがらない。しかし、その子が後でハシカにかからないためには、同年代のほかの子供たちはみな、予防接種をうけなければならない。結局、すべての親が、「うちの子から」という気構えで始めないと、だれの子供だって、ハシカから守りきれなくなる。

◆このゲームは韓国でも働いているようだ。4月以降、40人のハシカ患者が発生したが、これは昨年1年間の発病者25人より大幅に増えた数字だ。数年前、MMRの接種を受けた幼児たちの死亡事故が起き、親たちが予防接種をいやがり、接種率が下がったことと関係があるように見受けられる。

この傾向が続くなら、「人口100万人あたりに患者1人以下」というハシカ撲滅国家の地位も維持できなくなるのではないかと心配になる。しかし、まだ遅くはない。患者と接触しても、72時間内にワクチンを打てば大丈夫だという。すべての親が「うちの子だけは」というエゴを先に捨てるべきだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com