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国際的なボイス・フィッシングに現職裁判所長まで被害

国際的なボイス・フィッシングに現職裁判所長まで被害

Posted June. 01, 2007 03:21,   

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現職の地方裁判所長が国際電話詐欺(ボイス・フィッシング、Voice Phishing)にかかり、6000万ウォンをだまし取られる事件が発生した。詐欺団はこれまでの事件とは違い、被害者の人的事項をあらかじめ詳しく調査したことが分かり、犯罪手法が日増しに緻密になっている。

警察庁によると、電話詐欺が本格化した昨年6月から今年1月までの7ヵ月間、全国で届出られた電話詐欺による被害は1606件に達する。特に、2〜3月の2ヵ月間、警察に800件余りの被害事例が届け出られ、4月の1ヵ月間で641件も発生した。

▲大胆な犯行〓ある地方裁判所のK裁判所長のソウルの自宅に脅迫電話が初めてかかってきたのは、先月28日午前10時50分ごろ。40代と推定される男が、「公益勤務中の息子(24)を拉致したから、500万ウォンを振り込め」と要求した。K裁判所長は、同日午後、国会で開かれる立法関連セミナーに参加するため自宅待機中であり、婦人は娘が留学中のフランスに行っていた。息子は同日午前7時ごろ出勤した状態。

K裁判所長は、犯人が息子の悲鳴だと言って「助けて」という声を聞かせると、本当に拉致されたと思って驚き、地方にいる秘書に振込みを指示した。犯人が引き続きK裁判所長との通話を要求し、自分の携帯電話で秘書に連絡を取ったもの。秘書はとりあえず、自分の金から500万ウォンを振り込み、以後、500万ウォンと1000万ウォンの追加振込みの要求も受け入れて金を振り込んだ。犯人はさらに3000万ウォンを要求し、K裁判所長は秘書に再び振込みを指示した。秘書は巨額を調達できず、裁判所の事務局長に報告した。事務局長はY首席部長判事と相談した後、検察の助けが必要だと判断して、午前11時50分、同地域の地検のP検事長を訪れて相談した。

Y判事とP検事長が会っている間も犯人に脅迫され続けて、K裁判所長が振込みを督促したため、Y判事は午後12時ごろ、3000万ウォンをマイナス通帳から引き出して犯人の口座に振り込んだ。

▲生ぬるい対処〓K裁判所長はY首席部長と秘書が息子の電話番号を聞いたが、「相手が『息子の携帯に捜査機関から電話がかかってくると、危なくなる』と脅した」と言って、最後まで教えなかった。その間に、検察から連絡を受けた警察がK裁判所長の息子の住民登録番号を確認し、通信会社を通じて分かった携帯電話の番号で通話が行われ、拉致されていない事実を確認した。その時刻が午後2時ごろ。しかし、5回にわたって犯人に振り込まれた6000万ウォンはソウル近郊の金融機関で全額引き出された後だった。

警察関係者は、「K裁判所長が拉致されたという息子の携帯電話の番号を裁判所の職員に教えてさえいたら、被害を防ぐことができた」と述べた。特に、約3時間、引き続き通話したK裁判所長の自宅の電話を傍受していたら、犯人を把握できたはずと付け加えた。

▲「中国の詐欺団と推定」〓検察は、犯人がインターネット電話で3時間も切らずにK裁判所長と長時間通話した点から見て、位置追跡を気にする必要のない中国電話詐欺団の犯行と推定している。

検察はまた、「犯人が息子の出身大学や勤務先など人的情報をよく知っていた」というK裁判所長の言葉から、韓国人か、国内に入っている朝鮮族の共犯がいると見ている。

検察は、「振り込まれた金が引き出された金融機関の閉鎖回路(CC)テレビを確保しており、中国人の名前で開設された口座を追跡している」と明らかにした。検察はまた、これまで明るみになった情況では、犯人が通話をした裁判所長の職業までは知らなかったものと見られると発表した。蔚山(ウルサン)



raks@donga.com