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[オピニオン]中国の狭量

Posted July. 31, 2007 03:02,   

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韓国文学翻訳院の中国語バージョンの担当者である朴キョンヒ(44)博士は、今月初頭、北京にある中国人民文学出版社を訪問したとき、仰天すべきことを体験した。8月の北京図書展に展示するために、翻訳バージョンの発行を依頼した小説家・金フン氏の『剣の歌』が「慶長の役に参戦した明朝の軍隊を否定的に描写した」という理由で断られたからだ。数ヶ月前、台湾の中国語バージョン(2005)を見て、「中国の助けで日本を撃退したストーリーが写実的に描かれている」として、契約を急いだときとは、まるっきり違う態度だった。

◆中国共産党の検閲に引っかかったのが原因だった。翻訳院では4月にも天津白話文芸出版社から、チョン・サングクの小説集『偶像の涙』の発行契約を解除させられた。韓国戦争を題材とした同小説が、北朝鮮を否定的に描いているというのがその理由だった。すでに、中国語への翻訳を済ませた『三国遺事』も、さまざまな出版社との接触を試みたが、契約に失敗した。『三国遺事』に出る新羅や百済、高句麗の3国のうち高句麗は中国の歴史であり、韓国の古代史ではないというのが拒絶の理由だった。

◆中国側の主張はこじつけだ。『剣の歌』の背景である慶長の役だけを見ても、明朝が朝鮮に支援軍を送ったのは朝鮮を手助けするためというより日本が明まで攻撃してくるのが怖かったためだ。さらに、朝鮮にきた明軍は戦闘の能力や意思はまったくなかった。頻繁に撤退を主張した。柳成龍(ユ・ソンニョン)の『懲鋆録』では、「チャン・セジャクという将軍は、朝鮮軍が後退しないと、巡辺使の李ビンを足で蹴ったりもした」と書いている。朝鮮王朝実録には、遊んでばかりいる明軍への食料の提供のため、国民が飢餓にあえいだという記録まで出ている。

◆昔から大国であることを誇りにしてきた中国が、歴史歪曲に続き、歴史的事実をもとにした文学作品の国内出版まで認めないというのは、意外な狭量さを示すものだ。単に社会主義体制のもとだからであろうか。申采浩(シン・チェホ)先生は『朝鮮上古史』で、「中国は孔子の春秋以来、『為中国諱恥(中国の恥になることは隠す)』というのが歴史家たちがあがめる唯一の宗旨だ」と書いた。その眼力に頭が下がるばかりだ。

ホ・ムンミョン論説委員 angelhuh@donga.com