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[オピニオン]渡辺婦人

Posted August. 21, 2007 07:13,   

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「渡辺」は日本人のありふれた姓の一つだ。最近、世界の金融界では「渡辺夫人(Mrs.Watanabe)」たちの活躍が大きい。もちろん実在の人物ではない。年間0.5%台の低金利で円を借り、高収益の海外金融商品に投資(円キャリートレード)する日本の専業主婦たちを称えた造語だ。

◆「渡辺夫人」たちの取引の比重は、東京外国為替市場の30%にもなる。取引金額が1日150億ドルで昨年の2倍以上に増加した。渡辺夫人という言葉はニュージーランドで初めて生まれたと言う。金利が8%台のニュージーランドは、渡辺夫人たちが最も好んで投資する国だ。地元の銀行で、外貨で預金さえすればニュージーランド債券や定期預金の商品に加入することができ、高い利子収入が期待できる。渡辺夫人たちのためにニュージーランドドルの値段が跳ね上がり、金融市場の悩みの種として浮かびあがって久しい。

◆先月21日、ニュージーランドのマイケル・カレン財務相は、国会で為替レート急騰の主犯に「渡辺夫人」を公式に名指しした。中央銀行総裁が為替安定のために渡辺夫人と一本勝負をしなければならないというジョークまで出た。最近、米国発のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)の不良化で世界の金融市場が揺れているが、渡辺夫人たちもニュージーランドだけでなく、世界の注目を浴びている。

◆世界の証券市場は一応沈静化したものの、ドル、円など安全通貨に対する需要が増え、円キャリートレード資金が回収される信用収縮の後遺症の兆しが見られる。もし「渡辺夫人たち」まで円回収に乗り出した場合、国際金融市場が再び揺れる可能性もある。英国の経済専門週刊誌エコノミストは「金利の差が依然として大きいため、渡辺夫人たちは動揺しないだろう」と報じたが、フィナンシャル・タイムズは「市場の平和を守ってきた渡辺夫人たちに変化の兆しが見られる」という、相反する意見を出した。権五奎(クォン・オギュ)経済副首相は不安を過度に表現して市場のひんしゅくを買ったが、とにかく日本のオバチャンたちの動きを注意深く見守らなければならない状況だ。

許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com