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韓国経済を脅かす「実体景気の低迷」の兆し

韓国経済を脅かす「実体景気の低迷」の兆し

Posted April. 05, 2008 04:03,   

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国際金融市場が米国のサブプライムローン(低所得者向けの住宅融資)の焦げ付き問題のショックからようやく回復する兆しを示している中、韓国経済には、「実体景気の低迷」という嵐が近づいている。

米国の金融部門で起きた不良問題が消費や雇用など、実体経済へと移り、景気低迷が加速化しているためだ。韓国をはじめ、輸出依存度の高いアジア国々の実体景気が圧迫を受けるだろうというのが専門家たちの見方だ。

民間の専門家たちは第1四半期(1〜3月)は5%台後半の成長率を記録したが、第2四半期(4〜6月)や第3四半期(7〜9月)からは3%台の成長率へと落ち込む可能性が高いと懸念している。世界経済の成長率が当初の予想値を大幅に下回るだろうという予測も相次いでいる。

●世界経済成長率の下方修正

国際通貨基金(IMF)は3日(現地時間)、今年の世界経済成長の展望値を、1月の4.1%から0.4%下げた3.7%へと予測した。3.7%は02年(3.1%)以来もっとも低い成長率だ。

IMFは、米国住宅市場の低迷とそれによる信用不安が、世界経済に大きな負担となっていると指摘した。同日、IMFのサイモン・ジョンソン首席エコノミストは、「米国の経済成長が減速し、現在、『事実上止まっている状態』に達しており、今後、住宅や信用市場での厳しさが増し、数四半期に渡って、弱い勢いが続くだろう」と展望した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長は2日の議会で、「今年上半期に国内総生産(GDP)は大幅な成長を遂げず、むしろ多少萎縮されかねない」と話して、公開席上での景気低迷への可能性について初めて触れた。

韓国金融研究院のシン・ヨンサン研究委員は、「サブプライムローン問題が落ち着きを取り戻したという評価は、ひたすら金融部門に限ってのことだ」と述べ、「金融不良が実体へと波及し、米国住宅景気の低迷、消費と企業投資の減少、雇用低迷へとつながり、景気低迷はしばらく続くだろう」と語った。

●米国の輸入減少で韓国もショック

米景気の低迷は国内にも悪影響を及ぼさざるを得ない。韓国の成長率展望も相次いで下方修正されている。

4日、国際金融センターによれば、JPモルガンやゴールドマンサックスなどの主要海外投資銀行16社が示した今年の韓国経済成長率の平均展望値は4.5%で、昨年末の展望値(4.9%)より0.4%ポイント下がった。シティグループ(3.9%)とUBS(3.6%)は、3%台の低い経済成長率の展望値を示した。

韓国貿易協会傘下の国際貿易研究院の金ジェホン首席研究員は、「米経済の60〜70%は消費に依存しているが、この多くを海外輸入で当てている」と述べ、「消費が減ることになれば輸入も減少し、韓国の輸出も打撃を受け、2次的には対米輸出の多い中国などの新興国家に対する国内部品、素材などの輸出も一緒に影響を受けることになる」と語った。

韓国銀行によれば、世界交易物量が1%減少すれば、国内経済成長率は年間0.57%ポイント下がり、経常収支は11億ドルが悪化する。

国内経済は原油などの原材料価格の上昇による物価不安に、3ヶ月目の経常収支の赤字が続いている。月別の新規就職者数(前年同月比の増加人数)も、昨年11月の28万人から、今年2月には21万人へと減少し、雇用不安の現象すら現れている。

●ジレンマに陥った実体景気への対策

政府は景気浮揚策の樹立に頭を痛めている。金利と為替政策は現在、「熱い話題」となっている。金利下落やウォン安を容認する方向で政策を推進すれば、物価が管理目標値(3.5%)を超え、4%以上へと高騰しかねない。

政府財政をつぎ込んでインフラ(SOC)建設事業を行えば、雇用は増え、景気回復に一部貢献できるが、全体的な経済規模が増大し、財政投入の効果が目立たなくなり、効果があるといっても時差が大きい。

このため、政府は規制を緩和し、民間の投資心理をあおる政策を先に推進している。しかし、投資を誘導できる規制解除の内容が多くない上、海外需要が沈む状態では、規制が緩和されても、各企業が果敢な投資拡大には乗り出さないだろうという否定的な見方も出ている。

さらに、国内はもとより、海外ファンドまで収益率が芳しくなく、消費者たちの心理に悪影響を与えている。

兪炳圭(ユ・ビョンギュ)現代(ヒョンデ)経済研究院常務は、「政策を一つの方向に推し進めていけば副作用を招かざるを得ない厳しい状況であるだけに、成長と安定を適切に調整できる政策の微細調整が必要だ」と話した。



ssoo@donga.com legman@donga.com