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[オピニオン]朝貢

Posted April. 21, 2008 04:47,   

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韓国カトリック史上最大の殉教事件は1866年の丙寅迫害だった。信徒8000人以上が犠牲となり、朝鮮にいたフランス人宣教師12人中9人が処刑された。フランス政府は激怒した。朝鮮ではなく、清国の政府に掛け合い、「中国が責任を取れ」と強く求めた。朝鮮は中国の従属国だと見られて、宗主国に抗議したわけだ。この時、清が出した答弁は韓国の歴史に大きな一線を引くことになる。「朝鮮は清の従属国ではあるが、内治や外交は自主的に行ってきた。清が責任を取る事柄ではない。」

◆韓国は代々、中国中心の世界観を持っていた。中国も自ら中華を掲げた。自分たちが世界の中心だという意味だ。それで中国の皇帝は天の子供である天子だったし、中国は国ではなく、天下と呼ばれた。現実的に韓国は超大国、中国との関係がギクシャクすれば、国家生存そのものが危ぶまれた。ところが、同事件を通じて、韓国は中華の秩序からはなれ、世界秩序の中に本格的に組み込まれることになる。

◆中国の答弁は韓中関係の真実を示すものだった。朝鮮は中国に仕え、朝貢を捧げる国となってはいたが、内容の面では相互の実利を得るためだった。中国は周辺諸国を管理し、国内では天子の権威を誇示する必要があった。朝鮮は主従関係を認めながら、安全を保証された。朝貢の実態はかえって朝鮮が利益を守った国家間の貿易だった。朝鮮は1年に4、5回ずつ朝貢使節を送り込んで特産物を交換し、中国の先進文物を輸入する窓口として活用した。

◆統合民主党が最近妥結された韓米牛肉交渉について、「交渉ではなく朝貢だ」と攻撃に乗り出した。米国に一方的に与えて、受け取ったものがないという意味から朝貢という言葉を選んだなら、それは適切な言葉ではない。朝貢のほか、新しい王が誕生するたびに、中国から「認可」を受ける冊立まで甘受した朝鮮だが、外交の面では小国でありながら500年以上国を維持できるほど、実利的だったと評価される。外交の成否をうわべだけで判断するのは適切ではない。今回の交渉が得となるか、屈辱となるかは、今後、韓国がどれだけ米国から実益を得られるかにかかっている。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員chansik@donga.com