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[社説]韓国戦争を思う

Posted June. 24, 2008 03:12,   

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1950年6月25日午前4時、北朝鮮の人民軍は南北軍事境界線の全域にわたって、奇襲的に南侵を図った。皆が眠りについていた日曜日の未明、タンクの轟音と砲声が南側の静寂を破った時、韓国軍は3分の1が外出中だった。金日成(キム・イルソン)は、旧ソ連の全面的な支援の下で、緻密な準備をした上で、同日、奇襲的に侵略してきたのだ。ほとんど無防備の状態だった李承晩(イ・スンマン)政府が右往左往している間に、人民軍は3日でソウルを占領し、1ヵ月で洛東(ナクドン)江まで押し寄せた。

当時、ダグラス・マッカーサー国連軍司令官が仁川(インチョン)上陸作戦に踏み切ることで、韓国は国家としての存在を維持することができた。あの時、上陸作戦が失敗していたら、大韓民国は世界地図から消えていたかも知れない。韓国戦争は、三百万人の民間人死傷者と1000万人の離散家族を生むという、史上最大の惨禍をもたらした。約20万人の国軍および国連軍と、約2000人の学徒兵が戦死した。米国をはじめ20カ国(韓国を除いて)の迅速な参戦のおかげで、我々は国土を取り戻し、戦争の廃墟を乗り越えて、自由民主主義と市場経済を根幹とする世界10位圏の経済大国を建設した。

しかし、中高生1016人を対象にアンケート調査を実施した結果によると、韓国戦争勃発年度は43%、北朝鮮の南侵の事実は49%のみが知っていた。特に、韓国の安保に最も威嚇的な国に、米国(28.4%)を一番に挙げたのは衝撃的だ。日本(27.7%)、北朝鮮(24.5%)がその後に続いた。韓国の子どもたちが、6月のロウソク集会については詳しいものの、韓国戦争についてはこれほど無知で、3万3000人あまりを犠牲にして韓国を守ってくれた米国を安保脅威国と見ていることについて、我々大人は責任を痛感しなければならない。

6月は「護国報勳の月」で、殉国将兵らの愛国精神を称える月だが、この6月はもはや変質した風景の中に包まれている。今、ソウルの真ん中ではもっぱらこの社会の根幹を揺るがし、米国を憎む亡国的な集団行動で溢れている。全国教職員労働組合は、韓国戦争の実状を生徒らに正確に教えるため、在郷軍人会が制作して無料配布した「韓国戦争を正しく知ろう」の漫画を「冷戦時代の漫画」とこき下ろし、マッカーサー将軍と米軍に対する「偶像化」と文句をつける始末だ。

韓国戦争のような同じ民族による殺し合いが、二度と起こらないという保障はない。韓国戦争を身を持って経験したり、韓国戦争の世代から話をたくさん聞いてよく知っている戦後世代は、我々の子孫に韓国戦争をきちんと教え、その教訓を残さなければならない責務がある。