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景気低迷に物価高…韓国はスタグフレーションに向かうか

景気低迷に物価高…韓国はスタグフレーションに向かうか

Posted July. 02, 2008 08:19,   

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今年下半期の経済成長率が当初の予測を大きく下回る3.9%に止まるのに対し、消費者物価上昇率は5.2%に上るだろうという見通しが出ている。景気低迷の中で物価が上昇するスタグフレーション(stagflation)がますます現実のものになってきているのだ。

上半期の貿易収支が11年ぶりに赤字に転じるなど、輸出にも陰りが出ている。

中央銀行の韓国銀行(韓銀)は1日まとめた「2008年下半期の経済見通し」で、成長率が上半期の5.4%から下半期に3.9%まで落ち込み、物価上昇率は上半期4.3%から下半期5.2%に上がるものと予測している。このように物価上昇率が成長率を上回ったのは、「クレジットカード大混乱」が発生した03年下半期以来始めて。

これはまた、昨年末韓銀が今年下半期の成長率は4.4%に上り、物価上昇率は3.1%前後になると予測していたのとは大きくかけ離れたものだ。韓銀はこれを受け、年間成長率を昨年末の見通し(4.7%)より低い4.6%に下方修正する一方、物価上昇率の見通しを当初より1.5ポイント高い4.8%に上方修正している。

このような物価高騰は、原油高で石油製品の価格が大きく値上がりしている上、企業を含む経済主体らが物価の先高感から製品価格を前もって値上げしたためである。

同日統計庁が発表した6月の物価は、個人サービス料金の上昇などの理由から、昨年同月比5.5%上がった。月間ベースで1998年11月(6.8%)以来、9年7カ月ぶりの最大の上昇幅となった。

成長率の落ち込みも原油高に1次的な原因がある。コスト負担が増えた企業が投資を減らすほか、実質購買力の低下から消費者が財布の紐を締めている。現に、企業の5月設備投資は昨年同月比2.5%減となっており、同期間の消費財の売上高は0.6%減少した。

このような状況が続けば、スタグフレーションが発生しかねないという懸念の声が上がっている。

延世(ヨンセ)大学の兪炳三(ユ・ピョンサム)経済学部教授は「1970年代のオイルショックの際には、産油国同士の談合で原油価格が一時的に値上がりしたのに対し、今は需給ひっ迫による原油高が続いている。スタグフレーションに突入しているものとみられる」と分析した。

経済専門家らは、国際原油価格が1、2ヶ月間の時間差を置いて物価に反映されることを考慮すれば、下半期の物価上昇率がさらに高まる恐れがあると憂慮した。

とくに、今年上半期の貿易収支が1997年上半期以来はじめて57億1000万ドルの赤字となり、「海外依存度の高い韓国が成長の限界に達したのでないのか」と懸念する声もある。韓国経済研究院のホ・チャングク先任研究委員は、「物価高が賃金アップにつながれば、製品の原価増となり、スタグフレーションに拍車をかけるおそれがある。企業および労働者が痛みを分かち合い、公共部門の効率性を高め、成長に弾みをつけるようにしなければならない」と強調した。