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[オピニオン]消費者の民心

Posted July. 03, 2008 06:40,   

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「結婚の話が出ると、笑うえばいいし/小じわが増えると、小さく笑うといい」に始まり、「やりたいようにやればいい」で終わるCMの「デェゴ(「〜すると、すればいい」という意)ソング」は、今年最高のヒットCMソングだ。SKTが3月、新しい携帯電話サービスの開始を機に、PR用に作った「デェゴソング」は、数え切れない改詞曲を生み、人気が高い。何でも前向きに考えようというメッセージを盛り込んでいる「デェゴソング」は、「暮らし向きが厳しい時世に、国民に希望を持たせる希望のソングを届けよう」というコンセプトで、広告音楽作曲家の金ヨンジョン氏が作ったものだ。

◆米国産牛肉を「狂った牛」と言い張る勢力は、希望の「デェゴソング」も「大運河の話が出ると、経済を立て直すと言えばいいし/(省略)/狂牛病にかかると、死ねばいいし」と替え、絶望の「デェゴソング」に変質してしまった。李明博(イ・ミョンバク)大統領が4月21日、「(米国産牛肉を)強制に供給してもらうわけではなく、気に入らなければ、少しだけ買えばいい」と言ったことにケチをつけたのだ。大統領の言葉は、輸入されても、選択は消費者がするものという意味だった。

◆牛肉輸入業者のエイミートが、一昨日、ソウル衿川区始興洞(クムチョング・シフンドン)の直販場で、9ヵ月ぶりに米国産牛肉の販売を再開した。初日用意した200キロが、わずか5時間で売り切れた。昨日は全国から電話での注文だけでも200キロが超えるほど、消費者の反応は、まずまずと言う。値段が韓国産牛肉の3分の1ぐらいで、豚の三枚肉より安価なのがうけているらしい。「米国産牛肉を輸入すると、人間狂牛病にかかり、国民が一人ずつ死んで、10年後には国が無くなる」という怪談通りなら、一つも売れないのが筋だろうが、おかしいではないか。

◆購入者らが無知であるからだろうか。違う。彼らだって狂牛病議論の真偽を見分けられないはずがない。肝心なのは、彼らもまた民心の一部であるということだ。再交渉を求めて、ソウル都心を無法天地にしてしまう勢力だけの声が民心であるわけではないということだ。それにも関わらず、早くから「米国産牛肉の販売阻止」の動きが尋常でない。昨日も、全国民主労働組合総連盟(民主労総)がエイミートの売り場の前でデモをし、販売が一時中断された。脅迫電話も数本かかかってきたという。これこそ横暴極まりないことだ。米国産牛肉を食べるか、食べないかは、結局消費者が判断する。民労労総は、何を根拠に消費者の好みまで統制しようとするのか。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com