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急激なウォン安防御で40億ドル投入 終値は1ドル=1035ウォン

急激なウォン安防御で40億ドル投入 終値は1ドル=1035ウォン

Posted July. 04, 2008 07:09,   

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2日、ソウル為替市場の取引終了20分前の午後2時40分ごろ、各都市銀行のディーリングルームでは緊張が高まっていた。同日、ドルに対するウォン相場は一日中、1040ウォン台後半で推移していたが、急激なウォン安が進行したためだ。そして2時44分には、1057ウォンまでウォン安が進んだ。このまま取引が終われば、2005年10月24日(1058.10ウォン)以来2年8ヵ月ぶりの最安値を更新して終了するところだった。

この時、巻き返しが始まった。「ドル売り」の注文が殺到し、ウォン相場は瞬く間に1035ウォン(取引終了レート)まで持ち直した。16分間で、実に22ウォンも持ち直したのだ。

ウォン安による物価の高騰を防ぐため、当局が今年最大規模の売り注文で介入した結果だった。

取引終了間際に取引が殺到したために処理が遅れ、取引終了の為替相場は取引が終わってから約5分後になってようやく告示されるという、異例の事態となった。

●当局は終始「投売り」で一貫

同日の為替市場は、株価暴落や国際原油価格上昇などの悪材料が重なり、取引直後からウォン安への期待が膨らんだ。しかし、実際の市場では、当局のドル売りでの介入の可能性のために、売り注文と買い注文が取引の間中、激しい攻防を繰り返した。狭い範囲内での上げ下げを繰り返していたウォン相場は、取引終了間際に当局の「ドル売りの爆弾」に見舞われたのだ。

国民(クンミン)銀行トレーディング部のノ・サンチル・チーム長は、「ウォン相場が1040ウォン台で推移すると、底を打ったと思って注文を出すディーラーが大勢いた。ウォン安がさらに大幅に進むと、そのうちの一部はやむを得ず損をこうむってまで手放した」と話した。これがウォン安をさらに促進する要因となった。

ある為替ディーラーは、「普段為替当局は少しずつ介入したが、同日は心を鬼にして最後まで投売りしたようだ」と市場の動きを分析した。

政府は、為替市場に介入したかどうかや、その規模については徹底的に秘密に付しているが、為替ディーラーたちは同日、当局が都市銀行2、3社を通じて、30億〜40億ドルを売ったものと見ている。

●当局の介入、為替安定効果は不透明

最近、政府の経済政策の方向は、成長から物価安定へと転じ、為替当局もは急激なウォン安を防ぐため、たびたび売り注文で介入を行ってきた。ウォン相場がウォン安で推移すれば輸入物価が値上がりし、消費者物価にまで影響を与えるためだ。しかしドル売りの金額が10億ドル未満の日がほとんどだった。

しかし、李明博(イ・ミョンバク)大統領が先月24日の閣議で、「国政目標を物価安定に置くべきだ」と強調してから、当局の介入規模は次第に膨らんできた。特に2日は、政府が下半期の経済運用の方向を発表し、「物価の安定に力を入れる」と再三明言した象徴的な日でもあった。

このような政府の介入を巡って一部では、「為替保有高を減らすだけで、狙いの為替相場の安定効果はない」という見方もある。ある為替ディーラーは、「市場では政府がドルを売るのを待ち構えては、介入が始まると安価でドルを買うので、為替は元通りになる」と指摘した。

実際2日も、当局の介入でウォン相場は1035ウォンまでウォン高が進んだが、翌日の3日は10ウォン安の1045ウォンで取引を終えた。

しかし、2日の介入で当局は市場に「韓国政府の物価安定への意志を疑うな」というシグナルを明確に送った。それは「2581億ドルの為替保有高を持っている政府と正面から立ち向かう気でなければ、慎重に判断せよ」というメッセージだった。