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[オピニオン]外国人投資家の韓国株離れ

[オピニオン]外国人投資家の韓国株離れ

Posted July. 16, 2008 08:17,   

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米国のサブプライムローン(低所得層の個人向け住宅融資)の焦げ付きの影響だけでも、世界の金融市場が震撼したが、「これまでは第1幕だ」という声もある。国策の住宅ローン仲介会社の貸倒れ問題は、米政府が緊急支援に乗り出し、これらの会社の経営危機はいったん回避できたようにみえた。ところが今度は、米国の地方の大手銀行と自動車金融、クレジットカード会社側も深刻な経営危機に追い込まれているといわれるなど、「金融危機の連鎖」に対する懸念の声が上がっている。金融機関同士の複雑に絡み合った投資関係のため、危機要因がウィルスのように感染する格好だ。「デリバティブ(派生金融商品)が危機の火種」という警告が現実のものになったという向きもある。

◆このような海外の懸念材料にナーバスに反応するのが韓国の株式市場だ。大口の外国人投資家たちが、株式を一気に売却しているからだ。海外勢の売り越しは、6月9日から昨日までの27日間続き、史上最長連続日数の記録を更新している。今回の売り越しだけで7兆5000億ウォンであり、今年になって20兆ウォンを超えている。1999年から本格化した外国人の株式投資のあり方が9年余りで変る様相だ。株式市場の海外勢の割合は、1998年18.6%、03年40.1%で、上昇し続け、04年4月には44.1%と最高となった後、今年急減し、最近では30%まで低下している。

◆このような売り越し基調は、現金が急に入用になった外国人投資家たちが流動性の高い韓国で株式を売却した結果だ。これらの海外勢は韓国株をいつ買い戻すのか。一部の専門家らは、韓国市場の投資魅力低下、リスク管理などさまざまな理由から海外勢の韓国離れが続いているものと見ている。本格的な「セール・コリア」(sell Korea)であり、急激な買い意欲の回復の可能性は望み薄だということだ。米国のウォール街では、李明博(イ・ミョンバク)政府の企業にやさしい政策が遅々として進まないことに失望する声も漏れている。これに対し、他の専門家らは、過去と同じように外国人投資家の差益実現用であり、再び買い戻しに来るだろうという楽観的な見方を示している。

◆大きく見れば、世界の投資家たちがリスク資産である株式を減らしている過程から出た様相とも受け取れる。韓国の実態経済で企業、工場、店舗、不動産などへの売り先行といったいわゆる「セール(sale)コリア」も、リスクを減らして資産の目減りを防ごうとする判断として受け止めるべきだ。経済成長力は減速し、消費と投資は冷え込んでいる状況で、企業家、小商工人、個人みながリスクを減らそうとする後ろ向きの選択を強いられている。経済の回復まではまだまだ時間が必要だという意味でもある。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com