Go to contents

「さらなるドル高への期待」でドル手放さず…一部では「頭打ち論」も

「さらなるドル高への期待」でドル手放さず…一部では「頭打ち論」も

Posted October. 10, 2008 03:16,   

한국어

ウォン安ドル高が急激に進むなど、ソウル外国為替市場が乱高下している。ドルに対するウォン相場は9日の1日間、100ウォン以上も上下した。

為替専門家らは最近の急激なウォン安ドル高は、国内経済状況や主要国通貨と比べてみても、度を過ぎていると指摘している。三星(サムスン)経済研究所が9日、「バランスの取れたウォン相場は1ドル=1002ウォン」という内容の報告書をまとめて発表するほどだ。この試算が当たっているとすれば、現在のドル相場は38%もオーバーシューティングされていることになる。

ソウル外国為替市場は、なぜこれほど「上下」するのだろうか。

●取引が減り、小さなショックにも脆弱

今年は11年ぶりに約100億ドルの経常収支の赤字が見込まれるなか、外国人は08年に33兆ウォン程度の株式を売り越した。また、昨年半ばまで急激なウォン高ドル安が進んだことへの反動で、調整の圧力も受けている。

しかし、4取引日で208ウォンもウォン安ドル高が進む現状で、このようなミクロ経済的な要因だけでは説明がつかないというのが為替専門家らの概ねの見方だ。

最近は外国為替市場で取引が普段の3分の2以下へと萎縮されるなか、ドル売りの注文はなく、買い注文に追撃の買い手の勢いも弾みがつき、ウォン安ドル高に拍車をかける異常な事態が繰り返されている。

崔鍾球(チェ・ジョング)企画財政部局国際金融局長は、「7日、外国為替市場での実際の需要は30億ドルに満たないほど、きわめて薄くなった」と話し、「海外投資ファンドらが為替差損に備えて先物為替の売りの残高を減らす過程で、7億ドルの買い注文を出し、ウォン安ドル高に決定的な影響を及ぼした」と語った。

9日も取引が60億ドル規模へと減った中、取引開始直前、投資信託会社の買い注文が出ると、ドルに対するウォン相場が1485ウォンまで高騰するなどした。

●市場の不安につけこんだ「ドルの買い溜め」

今年1月から8月にかけての国際収支は182億1780万ドルの赤字を記録している。市場でそれだけドルが不足しているからだ。しかし、政府はウォン安ドル高が進むのを防ぐため、今年、外国為替市場で200億˜300億ドルのドルを供給した。理論上ではドルの需給に大きな問題がないのは当然のことだが、ドル不足現象には変わりはない。

ある外国系銀行の幹部は「8月の経常収支は赤字だったが、資本収支が黒字へと転じ、全体的な国際収支は黒字だった」と述べ、「しかし、市場は経常収支の赤字にのみ反応する非理性的な群衆心理を示している」と話した。

為替当局は、誰かが追加的なウォン安ドル高を期待して、ドルを抱えていると見ている。崔局長は、「為替の需給上、今後、急激なウォン高ドル安が進む可能性が濃いだけに、ドルを買い付けている個人や企業は結局被害をこうむることになるだろう」と警告した。

●資本市場に比べて規模は小さい

韓国金融研究院によれば、今年1月から7月にかけて、外国人の株式保有規模対比為替の取引量比率の低いタイのバーツと韓国のウォンが、インドのルピーやフィリピンのペソよりさらに切り下げられたことが分かった。

朴へシク韓国金融研究院の研究委員は、「外国人が株を売って離れる時、これを吸収できる外国為替の取引量が十分ではなく、急激なウォン安ドル高が進まざるを得ない」と分析した。

ドル供給が外国系銀行国内支店や外国人投資家、輸出企業などに集中していることも、為替相場の不安要因となっている。

チョン・ジョンウSC第一(チェイル)銀行常務は、「外国系銀行支店のドルの買い入れが容易ではなく、輸出会社のドル現金も先物為替の売りの取引に縛られ、市場にはドルの売り手がいない異常な現状だ」と話した。

●しっぽが胴体を揺さぶる現象

資本市場の自由化で規制は緩和され、外国為替の取引は増えつつあるのに、外国為替のインフラはこれに追いついていけないのが現状だ。投機的な要素の強い域外の差額先物為替(NDF)取引がその代表例だ。

1999年、国内銀行の域外NDF取引が認められ、今年の取引規模は4倍近く増えた。香港やシンガポールなどで24時間取引される域外NDF市場は、少ない証拠金をかけて、先物為替の契約を結び、後に差額のみ決済する構造となっており、為替の投機勢力に悪用されたりする。域外NDF市場の動きがその翌日、ソウル外国為替市場のただちに影響を及ぼし、「しっぽが胴体を揺さぶる」現象が続いている。

ある都市銀行の外国為替ディーラーは、「最近のように時期は、域外で一度に2億˜3億ドルを売買すれば揺さぶられざるを得ない」と語った。

為替当局への不信も市場の変動性に輪をかけている。ある国策銀行の元外国為替ディーラー・チーム長は、「政府当局者が銀行はドル資産を売るべきだというふうに、市場の不安を増幅させるシグナルを送ったり、市場に一足遅れて介入して、不信のみを助長している」と話した。

●ウォンを国際的な通貨へと育成すべき

尹鄹龍(ユン・ドクリョン)対外経済研究院・国際マクロ金融室長は、「今の外国為替市場が度を過ぎて異常だと判断するなら、『市場の失敗だ』と見て、短期的には為替変動幅の制限などの措置も考慮する必要がある」と述べ、「中長期的には外国為替市場への参加者を中小企業まで拡大し、ドルのほか、ユーロなどの通貨で取引対象を拡大する案も考慮すべきだ」と語った。

一部では、公共部門や世界市場で国内各企業が独占力を確保している電子や造船などの業種では、ウォン決済比重を増やす努力も必要だと指摘する声も出ている。ウォンを国際的な通貨へと育成すべきだという意味だ。



parky@donga.com rews@donga.com