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1ドル=1500ウォン前後で乱高下…政府当局は「一喜一憂しない」

1ドル=1500ウォン前後で乱高下…政府当局は「一喜一憂しない」

Posted November. 22, 2008 03:00,   

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●ウォン相場の乱高下、なぜ収まらない?

政府は9月15日、米国系投資銀行「リーマン・ブラザーズ」の倒産で金融市場が恐慌状態に陥ると、ありとあらゆる対策を打ち出した。政府と韓国銀行が年末まで、金融市場と企業への支援につぎ込むことにしたウォンとドルは133兆ウォンに上る。韓国銀行はこの1ヵ月間、金利を1.25%ポイントも引き下げた。

このため、政府の外貨準備高は先月末現在2122億5000万ドルで、1ヵ月前に比べて274億2000万ドルも減ってしまった。

にもかかわらず、ウォン相場の下落傾向は止まる気配を見せない。先月30日、韓米通貨スワプ締結後、1ドル=1400ウォン台から1200ウォン台へと一時上昇したウォン相場は、最近再び1400ウォン台後半で上下している。

外国為替市場の専門家らは、「ウォン安の最も大きな理由は、外国人が新興市場の株式や債券に投資した資金を回収する過程で、ドルへの需要が急増しているためだ」と説明している。

さらに、国内の外国為替市場の一日の取引高の規模が20〜30億ドルの水準まで縮小し、ドルへの需要がやや増えれば、為替が高騰する現象が繰り返されている。

外換(ウェファン)銀行の金ドゥヒョン次長は、「ドル売りが起こる最も大きな理由は、グローバル的な景気低迷への懸念であり、これは一朝一夕に消える材料ではなく、為替相場が早晩下落するのは難しいだろう」と話した。

●政府の変った為替へと対応

にもかかわらず、政府は外国為替市場の動きを見守るだけだ。何より「有効な手立てがない」ためでもある。

世界的に景気低迷への懸念が広がっており、為替市場に介入しても、その効果は「暖簾に腕押し」で、外貨準備高を浪費するだけだという。

政府が外国為替市場に積極的に介入し始めた今年7月は、為替上昇による物価不安の鎮静化が急務だった。しかし今は、韓国が主に輸入している中東産ドバイ油の価格が1バレル=50ドルを下回るなど、原油価格が大幅に下がり、物価への負担を和らげている。

一方で、グローバル金融不安が長引いていることを受けて、外貨準備高を守って外貨支払い能力を保つことが最も重要な政策目標として浮上している。

ウォン安に伴う経常収支の改善効果も、政府としては悪いことではない。少なくとも、短期的には貿易収支が黒字であるかどうかが外国為替市場の心理的な安定に大きな影響を及ぼしているためだ。

●市場の評価は前向き好意的

政府の変った方針に対して、ある外国為替ディーラーは、「需給がドル需要へと偏っている状況下で、当局の積極的な市場介入がなければ、下げ幅は引き続き増大するだろう」と懸念を示した。

しかし、多くの専門家は、為替が企業経営などの経済活動を厳しくさせるほど急変する場合にのみ「スムージング・オペレーション」水準で介入し、それ以外は介入を最小限に止めるのが正しい方向だと口をそろえている。

LG経済研究院のシン・ミンヨン金融研究室長は、「無理に介入して外貨準備高を使い果たすよりは、辛抱しながら状況を見守るべきだ。現在、ウォン相場が過度に下落していることは誰もが認めることであるだけに、遅いスピードではあるが徐々にバランスを取り戻していくだろう」と語った。

誠信(ソンシン)女子大学の姜錫勳(カン・ソクフン)教授(経済学部)は、「為替を人為的に上下させるのは常に副作用を伴うことになり、『骨折り損のくたびれもうけ』となる可能性が大きい」とした上で、「外国人が韓国を離れる理由は過度な家計負債や不動産バブルによる金融不良の可能性であるだけに、このような不安要因を除去できるように、市場の期待に応える先制的かつ総合的な対策を再度まとめなければならない」と話した。

こうした中、政府は為替に「双方硬直性」があるのではないかという見方を慎重に示している。

崔鍾球(チェ・ジョング)財政部国際金融局長は、「1ドル=1500ウォンまでウォン安が進んでは、再び持ち直すことを繰り返している」とし、「市場参加者の間に、それ以上は行き過ぎだという警戒感があるようだ」と話した。