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[社説]科学技術の格差は6.8年、さらに水をあけられる可能性はないか

[社説]科学技術の格差は6.8年、さらに水をあけられる可能性はないか

Posted November. 28, 2008 03:00,   

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韓国が重点的な育成を行っている364の科学技術分野の水準は、世界の最高水準を100%とした場合72%に過ぎず、時間的には6.8年遅れていることが分かった。教育科学技術部(教科部)の調査によれば、韓国は5年後まで世界最高技術を、ただの一つも保有できないだろうという。経済低迷期の韓国民をさらに落ち込ませる憂うつなニュースだ。

科学技術は、強者が独り占めする代表的な世界だ。全体364分野のうち、米国は270、欧州連合(EU)は60、日本は34の分野で世界最高技術を保有している。ほかの国は一つの分野においても最高の技術を保有していない。にもかかわらず、これら3ヵ国は技術開発や人材育成に全力を傾け、後発走者の追撃を追い払おうとしている。格差が続く限り、韓国をはじめとしたほかの国々はこれらの科学大国の永遠なる消費国に止まらざるを得ない。先端技術や製品を輸入しつづけ、巨額のロイヤルティーを払って借りなければならない。

外では生死を掛けた戦いが繰り広げられているのに、韓国の科学技術は長年の理工系への忌避現象で、低迷を繰り返してきている。今は、今後さらに後れを取るのではないかと懸念しなければならないほどだ。06年、経済協力開発機構(OECD)の学力達成度の国際的な比較評価(PISA)においても、韓国の高校1年生の科学の成績は03年の4位から11位へと急落した。5年後、世界最高になることが厳しいなら、10年、20年後の先を見込んで実力を身につけなければならないのに、その展望は暗く悪材料にあふれている。

李明博(イ・ミョンバク)政府発足後、科学技術界では「科学技術をないがしろにしている」という不満が後を絶たない。政府と大統領府内に科学技術の発展を先導する司令塔がないというのだ。教科部の安秉萬(アン・ビョンマン)長官と大統領府の鄭鎮坤(チョン・ジンゴン)教育科学分科首席秘書官は、科学技術とは無縁な人事で教育問題にのみこだわり、科学技術のほうまでしっかりと気を配っていないという指摘も出ている。

政府は8月、国の研究開発予算を国内総生産(GDP)比5%へと増やす内容を含んだ「577計画」を発表したものの、目に見える進展はない。優秀な人材が理工系を嫌う現象は、今年も続いており、留学のため韓国から外国に出た人材たちは、国内の研究環境の不備を理由に帰国に二の足を踏んでいる。

政府は危機感を持ち、科学技術の育成に積極的に乗り出すべきだ。