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[社説]北朝鮮ミサイル、挑発に免罪符を与えるのか

[社説]北朝鮮ミサイル、挑発に免罪符を与えるのか

Posted March. 31, 2009 10:48,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領が、北朝鮮の長距離ミサイル発射に対し軍事的対応に反対すると発言した。李大統領は、フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、日本の迎撃方針に関する質問に、軍事的対応に反対する考えを述べ、結果的に北朝鮮がミサイルを発射しても、迎撃はすべきではないと答えた。北朝鮮にプレッシャーを与える重要な対応カードを使わないと言ったのだから、事実上、北朝鮮の挑発を容認すると言ったも同然だ。

李大統領のインタビューに対する大統領府の公式説明を見ると、政府は最初から北朝鮮のミサイル発射を阻止する意志がなかったのではないか、疑わざるをえない。大統領府関係者は、「大統領はミサイル問題一つのために、硬直関係や危機を招く必要はないと判断した」と説明した。北朝鮮のミサイル発射に対する軍事的対応を不要に緊張感を高めるという見方だ。大統領府は、核を開発した北朝鮮が、長距離弾道ミサイルに没頭する理由を分かっていないのか。

李大統領のインタビューに先立ち、ロバート・ゲイツ米国防長官も、北朝鮮ミサイルを迎撃する計画がないことを明らかにした。韓米が、ミサイル挑発を阻止するため、全力を尽くしても足りない状況で、むしろ北朝鮮に力を与える協力をしたことになった。

韓米の無責任な対応は、深刻な後遺症をもたらさざるをえない。軍事専門家たちは、李大統領の発言が、テポドン2号の発射に対する許可状を渡したも同然であり、北朝鮮はもはや気楽に挑発することを憂慮する。韓米両国が早くも後退したため、北朝鮮がミサイル発射する場合、国連が強力な制裁をすることも難しくなった。北朝鮮の核とミサイル開発を容認することで、核拡散防止条約(NPT)とミサイル技術管理レジーム(MTCR)が崩壊し、意味を喪失することに憂慮する専門家も多い。

李大統領は、南北共存のためには強硬対応は役に立たないと言い、開城(ケソン)工業団地の閉鎖といった極端な措置は取らないと言及した。しかし、北朝鮮は30日、待っていましたと言わんばかりに、開城工団に滞在中の韓国関係者1人を抑留した。北朝鮮の挑発と脅迫に驚き、譲歩を繰り返えす軟弱な姿勢では、国民と国家を保護できないことを悟らなければならない。