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制裁の北朝鮮、10日に「血の涙」のアリラン公演

制裁の北朝鮮、10日に「血の涙」のアリラン公演

Posted August. 01, 2009 08:09,   

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国際社会が、国連安全保障理事会の制裁決議第1874号によって本格的な北朝鮮に対する圧力を始めた中、北朝鮮が今月10日、平壌綾羅島(ピョンヤン・ヌンラド)5・1競技場で、アリラン公演を開幕することが分かった。

韓国政府当局者は31日、「北朝鮮は、アリラン公演の8月10日の開幕を目標に、毎日、幼稚園児や青壮年層を動員して公演を準備している。核実験と相次ぐミサイル発射で、北朝鮮を訪れる海外観光客が減っているにもかかわらず、海外駐在の北朝鮮公館や商社の社員、ウェブサイトを通じて、アリラン公演観覧客の募集を積極的に行なっている」と明らかにした。

アリラン公演は、マスゲームやカードセクション、音楽、舞踊を結合させ、北朝鮮体制を称賛する内容で構成されている。02年に、金日成(キル・イルソン)主席の90回目の誕生日を記念して始まり、05年、07年、08年にも行なわれた。

アリラン公演には、住民約10万人が動員されるという。一寸の誤差なく驚くほど緻密に構成されたアリラン公演について、08年9月、労働新聞は、「私たちの頼もしい青少年たちの高い精神世界が抱いてきた情熱の産物だ」と称えた。

しかし、自分や家族、親戚がアリラン公演に参加したことがある脱北者たちは、一糸乱れなく動く華やかな公演の裏に隠された衝撃的な人権蹂躙の実状を告発した。

●無理な練習で死人も

平壌出身のある脱北者は、「アリラン公演のカードセクション部門に参加したある学生が、公演の練習中に盲腸が破裂したが、その場で適切な応急措置を受けることができず、命を失った。北朝鮮当局が取った措置は、死んだ学生に『金日成青年栄誉賞』を与えたことだけだ」と証言した。

脱北者たちは、マスゲームの動作を繰り返して筋肉やじん帯が損傷し、骨折する学生も多いと伝えた。にもかかわらず、簡単な応急処置だけで練習を続けなければならないという。ある脱北者は、「マスゲームのために無理に足を開く練習をし、一人に数人がかりで無理に押して脱骨するケースが多い」と語った。

●トイレに行けず排尿障害に

脱北者たちは、午前4時に起きて翌日の午前1、2時まで練習が続く日が多いのに、夕食は一切れのパンとアメで済ますことが多いと伝えた。そのため、多くの学生が貧血や栄養失調にかかるという。

ある脱北者は、「従兄弟が、アリラン公演の練習で栄養失調で倒れたが、何の治療も受けず、数日休んだ後、再び練習に動員された」と話した。照りつける日差しで夏バテした子どもたちが、1日に数十人倒れたという証言もあった。

脱北者たちは、多くの人が一緒に練習しなければならない団体公演の性格上、北朝鮮当局が学生にトイレに行かないように水をほとんど与えず、我慢するよう強要していると伝えた。このため、排尿障害やぼうこう炎などの疾患にかかる学生も多いという。

●つらい練習のうえ、殴られることも

息子がアリラン公演に出演したというある脱北者は、「甘え盛りの6歳の息子が、公演の練習で動作を身につけないという理由で指導員にぶたれ、罰を受け、厳しい練習を受けた」と打ち明けた。脱北者たちは、練習中に動作を少しでも間違えれば、指導員に容赦なく殴られると伝えた。

アリラン公演の準備のために6ヵ月から1年間の練習に動員された数万人の学生たちは、授業を休みの時にまとめて受けたり、卒業を延期しなければならない。教育を受ける権利を侵害されているのだ。練習に動員された学生の服とくつを北朝鮮当局が支給できず、その責任を負わなければならない親たちの不満も高まっているという。公演の参加者は、報酬としてテレビやミシン、「公演参加証」を受けるという。

ある脱北者は、「韓国や海外から多くの人々がアリラン公演を観覧するために北朝鮮を訪れるようだが、理解できない。彼らの支払う入場料が誰の手に入るのか、何の目的に使われるのか、北朝鮮の裏に隠された残酷な現実に目を向けてほしい」と訴えた。



zeitung@donga.com