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「毎瞬間、心臓の鼓動がする美しさを提供したい」

「毎瞬間、心臓の鼓動がする美しさを提供したい」

Posted August. 04, 2009 09:04,   

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ジェームズ・キャメロン監督は7月22日、米サンディエゴで開かれたコミック・コン(Comic Con)の会場に姿を現した。24分物「アバター」のハイライト映像の公開に7000人あまりが駆けつけた。その翌日の23日夕方、周辺のホテルでキャメロン監督とのインタビューを行った。かつてより温厚になった印象に、頭に少し白髪も目立つようになった監督。同氏はクリスマス・プレゼントを用意するサンタクロースのようにうきうきしていた。

「過ぎ去った時間(空白の期間)は、あなたにどのような意味を持つのか」と聞くと、キャメロン監督は、「昨日公開した予告編をごらんになったでしょう」と聞き返した。

「その映像によって、この12年間を説明することができるはずです。ずっと心臓の鼓動が感じられれるほどの精巧かつビジュアルな美しさを提供したいと思って頑張りました。『映像の美学を追求するのは、観客を眠らせるだけだ』と考える監督もいるでしょう。しかし、私には、ホラー・シーンを作ることに劣らぬほど、美しいシーンを作ることも大変興味深いことですね」

——2億4000万ドル(約2900億ウォン)もの制作費をつぎ込んだが、失敗への懸念はなかったんですか?(大半の映画はヒットしたものの、キャメロン監督にとっては唯一の失敗作、「アビス(The Abyss)」がある。4000万ドルを投入したが、さほど注目を集めなかった)

「なかなか眠ることができませんでした。この映画は、すでに私がコントロールできる領域を超えているような気がします」

「アバター」は、映画技術の歴史においても新たな一歩を踏み出したという評を受けている。従来の3D映画は、役者らが体中にセンサーをつけて演技した後、コンピュータ・グラフィック(CG)をかぶせたが、「アバター」では、演技とCGが同時に行われた。感情まで生々しく活かせるという意味で、キャメロン監督は従来の「モーション(motion)キャプチャー」ではなく、「エモーション(emotion)」や「パフォーマンス(performance)」キャプチャーという言葉を使った。

——デビュー作の「ターミネーター」を作った時と比べれば、(技術の発達のおかげで)今回の映画はむしろやりやすかったように見受けられますが。

「最初に映画を作った時は、『36日間ロサンゼルスの町で、400万ドルを使ってアクション映画を作るなんて、できるはずがない』と考えました。冒険だったんですね。今度の映画は一際多い金と時間を掛けたものの、容易ではありませんでした。自分への期待値や、挑戦の度合いをより一層高めたので」

——監督かつ技術者(technician)として、新しい道を切り開く気持ちはどうだったのですか。

「自分でほしいと思う姿を、技術で表現することができなかった時は、壁に頭をぶつけながら技術を呪ったりもしました。しかし、想像力とその想像を表現する技術とのギャップは早いテンポで縮まっています。むしろ、技術の限界がなくなりつつある中、想像力が底をついてしまうのが問題ですね」

——この映画で発展させた技術が、今後、映画市場に影響を及ぼすことになるでしょうか。

「数年前、ジョージ・ルーカス監督と会った時、私は、『3D時代の到来を確信する』と話しました。経済危機に見舞われなかったら、世界的に3Dの映画館は1万ヶ所あまりはできたはずです。いまは、3000ヶ所ぐらいしかありませんが、11月1日に3D映画館が7000あまり拡大される計画が発表されるそうですね。『タイタニック』も新たに3Dバージョンで制作しているところです」

最後に、「もし、あなたが誰かをコントロールすることができるとするなら、それは誰でしょう」と聞いてみた。

「僕自身ですね。幸せな状態の自分をいくらでも想像することができます。火星の上や深い海底を歩く自分の姿をですね。現実の世界ではできないことですが、アバターの世界では、想像したどおり、やることができます。下半身が麻痺したジェイクが、パンドラでは歩くことができたように」



salthj@donga.com