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[オピニオン]オバマの学校での演説

Posted September. 05, 2009 08:15,   

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米大統領の学校への訪問はよくあることだ。現職の大統領が児童らに向けて本を読み上げたり、話し合いながら一日教師の役割を務めたりする。バラク・オバマ大統領も就任直後の2月、ある小学校を訪問し、児童らに対して宇宙飛行士に関する本を読み上げ、一緒に記念写真を撮った。子供らは「大統領おじさん、好きなスーパーヒーローがありますか」のような質問を投げかけ、教室まで足を運んだ大統領と楽しい一時を過ごした。

◆若い大統領のオバマは、本を読み上げる役割だけでは満足できなかったようだ。今回は子供らを相手に演説を行うプログラムを用意した。オバマは8日、ワシントン周辺のウェークフィールド高校を訪問し、自分が得意とする演説のお手並みを発揮する予定だ。演説はインターネットやC−Spanテレビによって全国に向けて中継される。ホワイトハウスはオバマが生徒らに対して、勉強への責任を取り、目標達成のため挑戦し、成功のためにベストを尽くすことがどれだけ重要かを強調するつもりだと予告した。4日、ワシントンポスト紙の記事のタイトル通り、生徒らのために、「励ましの演説(pep talk)」を行う計画だ。

◆米大統領の学校での訪問演説には議論が伴う。ブッシュ前大統領は1991年、ある高校を訪問し、「一所懸命に勉強し、麻薬を敬遠せよ」と忠告する内容の演説を行った。その時も、テレビによって演説は全国に向けて中継された。異なることは、当時は民主党が共和党大統領の学校演説に反発したのに、今回は保守層が民主党大統領に向けて批判に乗り出したことだ。米マスコミには、「大統領が生徒らへの洗脳を企んでいる」、「国民の税金を社会主義のイデオロギーの伝播のために使おうとする」、「アフガン事態と健康保険を巡る改革混乱によって支持率が46%にまで下がったオバマによる挽回戦術だ」などのあからさまな批判が殺到している。

◆保守派らはオバマの学校での演説を政治介入と騒ぎ立てている。批判が激しくなると、ホワイトハウスは、演説文を前日に公開し、学校や保護者らに検討できるチャンスを与えることにした。それから、生徒らは演説を視聴するかどうかを決めてほしいという。オバマの演説内容は、イデオロギーや現実政治とはかけ離れている。全国教職員労働組合の教師らが学校をイデオロギーPRや政治闘争の場と利用する我々の現実と比べれば、非常にささやかな対立のように見受けられる。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com