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[社説]企業都市「蔚山」、住民総生産ソウルの2倍

[社説]企業都市「蔚山」、住民総生産ソウルの2倍

Posted December. 23, 2009 08:09,   

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企業都市「蔚山」(ウルサン)の昨年の1人当たりの地域内総生産(GRDP)は、4862万ウォン、ソウルの2448万ウォンの2倍に上る。その前年の蔚山の1人当たりの地域内総生産は、ソウルの1.8倍だったが、米国発金融危機に見舞われた昨年は、その格差がさらに広がった。現代(ヒョンデ)重工業や現代自動車、SKエネルギーのような韓国の代表企業の工場が多く集まっている蔚山が、行政や経済の中心地である首都ソウルに比べ、人口1人当たり2倍もの富を創出している都市に成長した。

蔚山は1960年代初頭、工業地域に指定され、精油工場が建設されるまでは、海辺の小さな邑(ウブ)の所在地に過ぎなかった。1970年代に入り、石油化学工場を始め、大手企業各社の工場が建設され始め、飛躍的な発展を繰り返し、1997年、広域市へと格上げされ、7大都市の一つとなった。多くの企業があるため、一昨年の失業率は2.6%と、7大都市の中で最も低い。他の6都市の失業率は最低3.6%から最高4.1%に上る。07年度の蔚山地域における労働者の年収は3150万ウォンと、2位のソウルの2674万ウォンより476万ウォンも多い。住民らの雇用や福祉をもたらした最大の貢献者は、ほかならぬ企業である。

蔚山市の事例は、政府が推進している世宗市(セジョンシ)に示唆するところが大きい。自足機能が足りない行政都市よりは、競争力を備えた企業都市へと進んでこそ、住民や地域経済に有益であることを裏付けている。行政機関よりは、企業がより多くの雇用や所得をもたらすからだ。浦項市(ポハン)や龜尾(クミ)、巨濟(コジェ)、昌原(チャンウォン)、光陽(クァンヤン)のような企業都市も、1人当たりのGRDPは他の都市に比べ格段に高い。

大統領選挙の際、票を獲得したがために、世宗市のプロジェクトを推進した盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権すら、行政機関の分散配置は非効率だという報告書をまとめた。盧武鉉政権時代の03年、大統領府・政策室の新行政首都建設推進企画団がまとめた海外における事例報告書では、政府省庁をベルリンとボンに分けたドイツの非効率的な事例を示し、「行政機関の分散配置は望ましくない」と明らかにした。

「新行政首都の建設や海外事例から見る教訓」と題したこの報告書は、「ボンに所在した省庁の長官の大半はベルリンに滞在し、これらの省庁はベルリンに分署を設けている」と指摘した。世宗市に9部2処2庁を移転しても、長官はもとより大半の公務員はソウルに止まらざるを得ないことになる。このことによる行政の非効率コストは、年間3兆〜5兆ウォンに上るだろうという分析もある。

世宗市を、夜は明かりの消える都市とするべきか、それとも常に生産が行われる都市とするべきか。