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為替相場が乱高下、欧州資金流入への懸念高まる

為替相場が乱高下、欧州資金流入への懸念高まる

Posted June. 03, 2010 08:14,   

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天安(チョナン)艦事件による金融市場の不安は下火になったものの、為替相場は依然、乱高下を繰り返している。南欧の財政危機が、欧州全体に広がりかねないという懸念が後を絶たない上、ユーロ安により、安価なユーロ資金が韓国に大量に流れ込むという予測まで出ており、為替市場はなかなか安定を取り戻していない。

1日、ソウル外国為替市場で対ドルウォン相場は、米国や英国など世界主要証券市場が祝日で、休場だったにも関わらず、前日より14ウォンのウォン安ドル高の1ドル=1216.5ウォンで取引を終えた。先月31日も、為替相場は30ウォンほど急落した1ドル=1195.0ウォンまでウォン高ドル安が進んだが、突然、ウォン安ドル高に転じ、再び10ウォンのウォン安ドル高の1ドル=1202.5ウォンで取引を終えた。

最近、為替相場の乱高下には、ギリシャ発の財政危機が欧州全体へと広がりかねないという懸念が最も大きな影響を及ぼしている。最近は、ドイツと共に欧州経済の2大柱であるフランスが、過度な財政赤字により、国の格付けが下がりかねないという見方まで出回り、金融市場の不安を増大させた。英国も同様、緊縮政策を主導しなければならない予算長官が最近、スキャンダルに巻き込まれ、辞任に追い込まれたことが、財政緊縮の日程に支障を来たしかねないという見方が出ている。

これを受け、為替相場の乱高下を食い止めようとする為替当局は、緊急体制に入っている。先月28日、1ドル=1253ウォン台までウォン安ドル高が進み、1ドル=1190ウォンまで急落すると、為替当局は市場でドルを買い付け、為替相場の防御に乗り出したという。わずか1週間前までは、高騰する為替相場を下げるために、市場にドルを供給した為替当局が、今回は逆に、「買い付け介入」に乗り出したのだ。

ハナ金融経営研究所のチャン・ボヒョン金融市場チーム長は、「今後も、欧州財政危機の状況により、為替市場の不安が続くことになり、当面、為替当局による微細調整は避けられないだろう」と話した。

欧州の低金利やユーロ安が続き、投資家らがユーロ建て資金を借り、韓国を始めとしたアジア新興諸国に投資する「ユーロキャリートレード」が盛んに行われるという予測も、為替市場の不安材料となっている。

最近、ユーロ相場は1ヵ月間で7.5%もユーロ安が進んでいる上、基準金利も年間1%に止まっており、ドルや円に続き、ユーロをキャリートレード通貨として、使う投資家が増えているのが現状だ。

問題は、短期間に利益を出すため、韓国に投資されるキャリートレード資金の場合、景気不安になると、一気に流出し、為替高騰につながることだ。国際格付け会社「ムーディーズ」は最近の報告書で、「アジアは過度な資金流入を受け、困難を覚えている」とし、「殺到するグローバル資金は、アジア通貨当局を困らせることになるだろう」と指摘した。

韓国銀行の関係者は、「韓国の成長率の予測値が高まるほど、国内に流入するキャリートレード資金も増えるものとみられ、国内金融市場に及ぼす影響をしっかり見守っている」と語った。



weappon@donga.com