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[オピニオン]大恐慌を警告

Posted October. 09, 2010 02:59,   

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米ワシントンで開かれる国際通貨基金(IMF)・世界銀行(IBRD)年次総会前日の7日、世界経済に緊急警報が鳴った。ロバート・ゼーリック世界銀行総裁が、「為替問題をめぐる各国の緊張が紛争に突き進み、保護主義を招く場合、1930年代の失敗を繰り返す危険がある」と述べ、大恐慌発生の可能性を警告したのだ。自国通貨の価値を引き下げようと市場介入に乗り出す各国政府をなだめて合意を引き出さなければならない国際経済機構の代表が、恐慌を公に取り上げたことはただ事ではない。

◆30年代に米国に大恐慌が発生した原因については、様々な見解がある。通貨主義経済学者のミルトン・フリードマンは通貨供給を減らした米国政府の責任論を、サミュエルソンは複合要因説を主張した。第1次世界大戦後、米国が最大債権国に浮上した反面、債務国になった欧州国家は、経常黒字を出そうと先を争って自国通貨の評価切り下げに乗り出した。他人の不況の見返りに好況をめざす近隣窮乏化政策は、世界に大きな災いを招いた。大恐慌直前の為替戦争の状況は今と似ている。

◆大恐慌研究の権威者だったチャールズ・キンドルバーガー教授は、世界経済のリーダーシップの不在に大恐慌の原因を求めた。第1次世界大戦後に債務国に転落した英国はリーダーシップを失い、最大国として登場した米国は、国内問題の処理を優先し、リーダーシップを発揮できなかった。先月、米下院を通過した「公正貿易に向けた為替改革法案」と類似の関税法が30年に米国で制定され、各国は保護貿易主義に突き進んだ。国家間の合意を模索する世界経済会議が33年に開かれたが、成果はなかった。

◆2兆ドルの外国為替を保有する最大債権国の中国は、30年代の米国のように新たに登場した超大国だ。ドミニク・ストロスカーンIMF総裁は、人民元の切り上げなど、世界経済に対する中国の責任を主張した。しかし、中国の温家宝首相は、急速な人民元の切り上げが世界経済に悪影響を及ぼすと反論した。85年に日本円とマルクの切り上げに合意した「プラザ合意」のような国際的措置が切実な時だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領は、来月ソウルで開かれるG20サミットで、為替問題が重要議題として扱われることを示唆した。ソウルG20サミットが、為替戦争解決の突破口を見いだせるだろうか。世界とともに韓国も試験台に立たされた。

朴永均(パク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com