野党民主党の朴智元（パク・チウォン）院内代表の「（李大統領は周辺情勢の）妨害者」発言の波紋は、２１日、政界だけでなく国会国政監査でも、最大の論議の的となった。２０日の大統領府の強攻バトンを受け継いだ与党ハンナラ党の執行部は、朴院内代表を強く批判した。国会外交通商統一委員会の外交通商部に対する国政監査でも、朴院内代表の発言が俎上に上った。
朴院内代表は午前には、「事実だけを話した」と述べ、前日の大統領府の批判に反論したが、午後になって中国外務省報道官が公式に自分の発言内容を否定すると、「事実を言った。これ以上言及しない」と述べた。
●金元大統領が「南北関係硬直」発言
東亜（トンア）日報が２１日に全文を入手した中国の習近平国家副主席と金大中（キム・デジュン）元大統領の会談録には、習副主席が、李明博（イ・ミョンバク）政府の責任に言及した内容はない。習副主席は、「韓国と北朝鮮は、同胞、兄弟であり、和解と協力という方向に留意しつつ、忍耐を持って互いの憂慮を配慮するなら、現在の難関を克服できるものと確信する」と述べ、南北関係の進展を期待する発言をした。
さらに、「韓中両国の『戦略的協力パートナー関係』の成果に満足する。この関係を発展させていくことは、両国国民の利益だけでなく、地域の平和と安定にも合致する」と述べ、李政権との協力に期待感を示した。
これに対し、金元大統領は習副主席に、韓中関係の発展を肯定的に評価し、「００年に北朝鮮を訪問し、金正日（キム・ジョンイル）総書記に会って以来、約１０年間、南北関係は良好な関係を維持したが、最近硬直していることは非常に残念だ」と述べた。
自身と盧武鉉（ノ・ムヒョン）前大統領が政権を担った１０年間、順調だった南北関係が、李政権になって悪化したという意味だ。
●民主党議員まで「不適切」
同日の国政監査で、民主党の文喜相（ムン・ヒサン）議員は、「（朴院内代表の）その発言は、かなり真実だろうと推定する。しかし、不適切だった。相手は、主要国家の次期首長であり、その相手は、韓国の外交権の首長だった。その２人の発言をあのように簡単に話すべきではないというのが私の考えだ」と批判した。
また、民主党の朴柱宣（パク・ジュソン）議員は、「（朴院内代表が言及した）習副主席の発言がなかったなら、朴院内代表が個人的に責任を負うことであり、発言があったなら、政府としては衝撃を受けるだろう」と述べた。
外交通商委ハンナラ党幹事の兪奇濬（ユ・ギジュン）議員は、「習副主席と金元大統領の会談録に、朴院内代表が言及した内容がないにもかかわらず、公党の院内代表がそのような話をしたこと自体が不適切だ。ハンナラ党は、朴院内代表が謝罪し、責任を取ることを求める」と主張した。
さらに、ハンナラ党の金孝在（キム・ヒョジェ）議員は、「ありもしない話をして外交関係に傷を付けただけでなく、金元大統領にも侮辱であり、習副主席にはありえない非礼を犯した」と批判した。
ハンナラ党の具相燦（ク・サンチャン）議員は、「前職大統領と次期首脳が確実視される人物の最高級会談の同席者が、会談の内容を流出することは誤りではないのか」と主張した。
同日午前、中国外務省が朴院内代表の発言を否定するまで、一部の民主党議員らは、会談同席者を国政監査の証人に採択し、発言内容の真偽を明らかにすることを主張したが、ハンナラ党の金栄宇（キム・ヨンウ）議員らは、「国益のためにならない」と反対した。
●踏ん張る朴院内代表、当惑する民主党
朴院内代表は同日午前、党幹部政策会議で、「これまで事実でないことを言ったことはない。合意をして、野党代表を説得すべきであり、民主党はそのようなお粗末な党ではない」と述べた。「なぜ、中国外務省の報告は信じて、こちらが話したことは信じないのか、残念だ」、「蜂の群れのように駆け寄って刺してみても、そのようには死にはしない」と述べ、自分の発言が事実だという点を繰り返し強調した。
しかし、会議出席者は、朴院内代表の発言に対して、誰も肩を持ったりコメントしたりしなかった。午前の民主党院内報道官の会見でも、この問題に対しては何の言及もなかった。
さらに、午後、中国外務省報道官の否定発表が出ると、民主党内はざわめいた。朴院内代表は、短い発表文を通じて、自分の発言が事実だという主張を曲げなかった。
しかし、民主党内では、「朴院内代表が出すぎた」という反応が出ている。朴院内代表は進退問題を考えるべきではないか、という声まで出ている。
外交通商委所属のある民主党議員は、「これをどのように収拾するのか。朴院内代表がまさか最高級会談の内容をむやみに話しはしなかったと信じているが、大変なことになった」と吐露した。また、別の民主党議員は、「どう対応するべきか悩んでいる」と話した。
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