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浦項の老人療養施設で火事、患者10人が死亡

浦項の老人療養施設で火事、患者10人が死亡

Posted November. 13, 2010 03:01,   

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12日午前4時10分ごろ、慶尚北道浦項市南区仁徳洞(キョンサンブクド・ポハンシ・ナムグ・インドクドン)の仁徳老人療養センター(2階建て)で火が出て、キン・ブンランさん(84・女)ら、70〜90代の老人10人が死亡する惨事が発生した。また、チョ・ヨンファさん(75・女)ら17人がけがをして、浦項医療院や浦項セミョン基督病院などに運ばれて治療を受けている。

火は1階にある16.5平方メートル(約5坪)規模の事務室の一部を燃やして30分あまりで鎮火されたが、身動きの不自由な老人らは適時に待避できず人命被害が大きかった。

火を初めて発見した夜間安全管理者のチェ・ソンジャさん(63、女)は、「休憩室で寝ていたところ、火が見えて出てみたら、事務室で火が上がっていた」と話した。警察は1階の事務室の天井の部分がひどく焼けていることなどから、電気短絡によって火が出たものとみて、正確な火事の原因を特定している。

●惨酷な火災現場

同日、火事に見舞われた仁徳老人療養センターの建物は、外見はなんともなかった。1階の事務室だけを少し燃やして鎮火された「小規模火事」だったため。しかし、建物の内部は入ったら、壁面と天井が黒く焼けていて、火災当時の緊迫した状況を伝えていた。壁掛け扇風機など、各種什器は熱気で解けていた。

また、つまむことは熱気にとけていた.また焦げた臭いが鼻を突き、老人らが有毒ガスに窒息した可能性が高いと思われた。焦げた天井や壁面のどこにも火災警報器やスプリンクラーなど消防設備は見当たらなかった。

残念なのは老人らが死亡した1号室や2号室から1階の出入り口までの距離が5〜10メートルしか離れていないということ。身動きの不自由な重症の患者でなかったら、火が出た時に十分待避できるはずの距離だった。

●重症患者の多い老人施設、不適切な消防設備規定

慶尚北道消防本部によると、この療養センター(延べ面積387平方メートル、約117坪)は身動きの不自由な中風および痴呆症の患者27人がいる療養施設だが、消防法上、火災警報器を設置しなくてもいい所に分類されている。

「消防施設設置の維持および安全管理に関する法律」施行令に老幼者(老人と子ども)施設の場合、延べ面積400平方メートル(約121坪)以上にのみ火災警報器を設置するようになっているため。また、スプリンクラーは延べ面積600平方メートル(約181坪)以上の場所に限って設置が義務付けられている。

現在、慶北地域には老幼者施設1804ヵ所があるが、このうち火災警報器の設置が義務付けられている延べ面積400平方メートル以上は800ヵ所(44.3%)に過ぎない。専門家らは「重症患者を収容する施設に対しては、規模に関係なく、消防設備など安全施設を強化する措置が必要だ」と口を揃えている。

●119通報もきちんと行われず

療養施設の勤務者による最初の火災発見以後、さらに2段階を経て119通報が受け付けられるなど通報が遅れたのも被害が大きくなった原因と推定される。火事が発生したという通報が慶尚北道消防本部に正式に受け付けられたのは同日午前4時24分ごろ。

火を初めて発見した夜間安全管理者のチェ・ソンジャさん(63、女)は、戸惑ったらしく、建物の外へ走っていって、すぐ隣の建物のポスコ技術研究所の警備室へ行って火災通報をしてくれることを要請した。

ポスコ技術研究室の警備室はすぐ119へ通報せず、ポスコ自体消防署に通報した後、ここでまた慶尚北道消防本部に通報するなど、最初の発見者から2段階を経たため、通報の受付がやや遅れた。

警察の関係者は、「正確な火災経緯に対しては精密調査を行うが、独りでは動けない重症の患者がほとんどだったため、火災規模に比べて人命被害が大きかったと見られる」と説明した。



choi@donga.com jang@donga.com