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[オピニオン]患者を中国に取られる日

Posted November. 22, 2010 05:52,   

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中国が世界最大規模の医療団地に、ソウル大学の医師らを迎え入れることになる。ソウル大学と中国の建設専門民営企業「燕達」グループは、医療健康タウン「燕達医療健康省(Health City)」の教育や研究、診療分野で協力することで合意した。北京から約30キロ離れた河北省三河市の燕郊開発区に造成された燕達医療健康タウンは、約50万平方メートル(約15万坪)の敷地に、3000床規模の病院や国際医学研究所、1万2000人を収容するシルバータウンや看護士教育センター、国際コンベンションセンターを備えている。中国人だけでなく、海外の医療観光客誘致への意気込みが読み取れる。

◆北京周辺に超大型医療健康タウンができるのは、中国政府がすでに2000年、医療産業を民間主導に転換したためだ。中国は民間資本が医療サービス業に投資できるように営利病院制度を導入し、外国資本の病院持分所有も認めた。これは、医療分野の新たな需要や雇用創出の可能性をいち早く読み取り、資本主義国である韓国より更に積極的に営利病院の許容や対外開放を実行に移した。

◆中国がソウル大学の医師らを招いたのは、韓国の医療競争力を認めているからだ。毎年、医学部が全国の最優秀入試生らを総なめするほど、医学部大学生らのレベルの高い韓国ではないか。しかし、医師らは、「医学部の学生らは一流だが、病院は3流」と自嘲的に指摘している。医療の公共性だけを主張する根本主義に押され、中国と異なって民間資本の医療業への投資が不可能なせいが大きい。医療問題を「イデオロギー化」した勢力は、国内営利病院の許容や医療観光の活性化が医療レベルを競争的に高め、究極的には「普通医療」の質の向上にもつながることには目をつぶっている。

◆世界的に医療サービス業が、国富や雇用創出の手段として、ビジネスモデルになって久しい。シンガポールが1990年代から海外医療観光客を誘致して利益を上げると、他の国々も医療観光事業に乗り出した。日本は病院や旅行会社が一緒になって外国人患者の誘致に乗り出し、マレーシアは医療観光病院に対しては税制上の優遇を与えている。李明博(イ・ミョンバク)政府は発足初期から医療観光の活性化に向け、投資開放型営利病院制度の導入を推進したが、与党内部ですら反対の意見が噴出し、しり込みしている。このまま時間だけ費やすことになれば、わが国民が病気の治療のため、中国に向かう日も遠くないだろう。

朴永均(パク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com