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アイパッド2発表、ジョブズ氏の登場に起立拍手 三星には毒舌

アイパッド2発表、ジョブズ氏の登場に起立拍手 三星には毒舌

Posted March. 04, 2011 09:14,   

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今回が3度目。製品発表会が終わる頃、アップル最高経営者(CEO)、スティーブ・ジョブズは、見慣れた写真1枚を画面に映し出した。それは、「技術(Technoloty)」と「人文学(Liberal arts)」と書かれた二通りに道を示す道しるべ。昨年1月のアイパッド6月に、アイフォン4をそれぞれ紹介する時に示した写真だった。

「アップルの遺伝子(DNA)は技術だけではありません。それだけでは物足りないでしょう。我々のDNAは、技術と人文学との結婚です」。これは、ジョブズがアップルの哲学でもあるかのように紹介する写真だが、氏の独創的なアイディアではない。実は、自分の事業が、「芸術と科学との分かれ道に立たされている」と強調したジョブズの偶像、エドウィン・ランドの哲学だった。インスタントカメラ「ポラロイド」の創業者であるランドは1985年、ジョブズと会い、この話を聞かせた。そして、同年、自分が立ち上げたポラロイドから追い出された。数ヵ月後、ジョブズも同様にアップルから追い出された。「事業は事業で、技術は技術に過ぎない」という人々の前で、ジョブズとランドの考え方は光を失った。しかし、25年後、世の中は彼らのアイディアに喚声を上げている。

●スターCEO、71分間ショー

2日(現地時間)、米サンフランシスコ・イエルバブエナセンターで開かれたアップル製品発表会。舞台に照明が照らされ、一人が舞台に現れると、同行事に招かれた記者らや業界関係者らは、立ち上がり、起立し、拍手を送った。舞台に、彼ならではの服装の黒いタートルネックとジーンズ姿で、スティーブ・ジョブズが登場したためだった。氏は最近、米タブロイド週刊誌「ナショナルインクワイヤラー」が報じた「余命6週間説」が出回り、危篤だといううわさが持ちきりだったため、同日の登場はさらに劇的なものとして受け止められた。

1時間11分間続いた同行事の間、ジョブズが一つのテーマについて説明を終えるたびに、客席では拍手が後を絶たなかった。あたかも、舞台に上がったロック歌手が、1曲を終えるたびに、拍手喝采を受けているかのように見えた。ジョブズは、「数ヵ月間、(アイパッド2の)準備のため、苦労しただけに、今日という日を見逃すわけにはいかなかった」と話した。氏は今年1月、復帰時期を明らかにしないまま、病気休暇に入った。04年にはすい臓がんの手術を受け、09年は肝臓移植手術を受けただけに、彼が休暇に入った時、アップルの株価は暴落した。

同日の行事で、ジョブズは自分の健康については一言も触れなかった。きりっとした姿勢や自信溢れる口ぶり、余裕たっぷりのユーモアは、この数年間の様子と全く違わなかった。少なくとも、同日の様子だけ見ては、余命6週間といううわさは根拠のないもののように見えた。

アップルはこれまで、史上最高業績を相次いで更新しながらも、ジョブズの健康問題やライバル会社各社による共同攻撃などにより、絶えず危機説に苦しまれた。しかし、同日、氏が公開した数字は驚くべきものだった。アップルは昨年4月、アイパッドの披露後、9ヵ月間で、アイパッドだけでも1500万台を販売し、計95億ドル(約10兆6400億ウォン)を稼ぎ、アイフォンはこれまでの累積販売台数が1億台を突破した。特に、クレジットカード情報をアップルに登録し、一回のクリックで簡単にアプリ(応用プログラム)や音楽、電子ブックを購入できる顧客を2億人確保した。

世界最大規模の電子商取引市場を築いたことになる。これと共に、これまで、アプリストアでアプリを販売後、開発者に支払った金額も計20億ドルを超えている。08年7月、アプリストアがオープンした後、10億ドルを支払うまでは23ヵ月かかったが、10億ドルを追加で支払うのにかかった時間は、わずか9ヵ月だった。

●相次ぐ毒舌

アップルのファンにとって、舞台に上がったジョブズの姿は、喚声対象だったが、彼ならではの毒舌が、連発されると、ライバル会社各社にとっては悪夢の対象だった。ジョブズは、「11年は模造品(copycats)の年だ」と主張し、三星(サムスン)電子やHP、モトローラなどのライバル会社のロゴを画面に映し、露骨に皮肉った。今年もライバル会社各社は、アイパッド2を真似するために、終始するだろうという意味だった。

特に、三星電子のギャラクシータブについては、「流通店販売は200万台を超えているが、消費者らに対し、実際販売されたケースは極めて少ないだろう」という、米紙ウォールストリートジャーナルの報道を引用し、辛らつに攻撃した。しかし、これはウォールストリートジャーナルが、「大変順調だ(quite smooth)」という三星電子の役員の言葉を、「大変少ない(quite small)」と聞き間違え、書いた誤報だと、三星電子はすでに明らかにした。ジョブズは誤報を引用したのだ。

発表会の最後になると、ジョブズはアイパッド2を作ったアップルのチームメンバーを全員立たせ、観客に対し拍手をお願いした。まるで、ロックスターが、バンド奏者らとプロデューサーなどの関係者らに対し、感謝をお願いするような姿だった。71分間のショーの最後だった。



sanhkim@donga.com