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家畜の密集飼育、伝染病拡散の原因

Posted March. 24, 2011 08:13,   

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畜舎のドアが開いた時、頭に浮かんだ2つの文字は「地獄」だった。現場は、想像以上に残酷だった。メス豚は鉄パイプでできた檻の中で、身動きが取れない状態で閉じ込められながら、子豚を産んだ。まるで「出産機械」のようだった。メス豚が産んだ子豚、数百頭は、15平方メートル(約4.5坪)のコンテナで育てられた。糞尿から出るガスのため、子豚の目は真っ赤に充血していた。残酷さのあまり顔をそむけた。

最近、口蹄疫、鳥インフルエンザ(AI)問題の主な原因として論議されている密集飼育実態を確認するため、9日と10日、国内3地域の豚、鶏、牛の農場を回った。

別名「工場式飼育」、「アパート式飼育」と呼ばれる密集飼育は、狭苦しい空間に多くの家畜を集めて育てる飼育方式だ。収益性を高めることができ、国内の畜産農家が使う一般的な飼育法だが、家畜は日を浴びたり、運動することができず、激しいストレスを受ける。いくら食用として育てられるにしても、生命に対する尊厳のかけらも感じられなかった。

農家は、密集飼育に伴う免疫力低下による病気感染を防ぐために、各種抗生剤を投与する。しかし、今回の口蹄疫事態のように、一旦、家畜が伝染病にかかれば、一気に数万頭が全滅する。

これに対し、政府は今年の初めから、防疫システムの改善および畜産業の先進化を目標に、政府をあげて対策づくりに取り組んできた。24日、首相室主宰で発表される今回の対策には、家畜伝染病の事前遮断と発生時の対処の強化、畜産分野の体質改善に関する案が盛り込まれる予定だ。

まず、政府は今後、従来なかった新しい種類の家畜伝染病が発生した場合、発生農家の近隣だけでなく、全国の畜産飼料、糞尿の移動を一時停止させる初動対応強化案を作成した。出入国者の常時検査だけでなく、全国の畜産農家を対象に常時防疫を実施し、ウイルスの流入と拡散を防ぐ方針だ。獣医科学検疫院と植物検疫院、水産物品質検査員は力を結集し、「統合検疫機関」に生まれ変わる予定だ。

しかし、これまで最も大きな論議を呼んできた「飼育頭数総量制(制限制)」は、畜産農家の激しい反発と施行上の困難を考慮し、今回の対策から外されたという。政府関係者は、「国内の畜産農家の密集飼育が深刻なことは事実だが、現行の飼育面積の規定も守ることができない農家が大半なため、推進に困難が多い」と話す。

実際、昨年10月、韓国農村経済研究院が、全国の畜産農家651ヵ所を対象にアンケート調査をした結果、回答農家の半数以上が、「(密集飼育を止める)動物福祉型飼育に対し、導入計画、または関心がない」と答えた。特に、密集飼育が一般化した養豚、養鶏農家の場合、65%が否定的な回答をした。取材中に会ったある養豚農場の経営者は、「今の畜産物の流通構造では、環境よく育てたからといって、より高い値段を得ることができないのではないか。今より頭数を減らす飼育を求めることは、農場主に死ねということと同じだ」と話した。



imsun@donga.com swon@donga.com