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[社説] 貯蓄銀行VIPの捜査、最高検中捜部の存在理由を示せ

[社説] 貯蓄銀行VIPの捜査、最高検中捜部の存在理由を示せ

Posted May. 02, 2011 09:00,   

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釜山(プサン)貯蓄銀行で、貯蓄銀行の営業が停止する前日に、優良顧客(VIP)や銀行役員とその親類が、預金の全額を引き出した。検察は、営業停止の情報を事前に知って引き出した疑惑を受けている約3500の口座を追跡中だ。情報を全く知らなかった約3万7000人の大多数の顧客は、1人当たり5000万ウォンまでとされる預金保障規定のため、1人当たり平均670万ウォンが損失を被った。政府が、公正社会を主唱する社会で、どうしてこのようなことが起きたのだろうか。

貯蓄銀行の営業停止情報流出事件の背後には、釜山地域の国会議員と金融監督院の職員が介入したという疑惑を生まれている。一部の貯蓄銀行職員が、不法引き出しの見返りに金を受け取ったといううわさも流れている。貯蓄銀行と深い関係にある人々は、情報力を利用して預金を全額引き出したが、相対的に弱者の小口顧客は、損失を被る結果となった。さらに、貯蓄銀行の大株主が不法引き出しをしていたことは、許されないモラルハザードだ。

今回の捜査は、最近、国会司法制度改革特別委員会で廃止論議が起きている最高検察庁中央捜査部が担うことになった。09年、「朴淵次(パク・ヨンチャ)ゲート」に関わった盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の捜査後、機能が事実上停止していた中央捜査部としては、2年ぶりに捜査の刀を抜いたわけだ。疑惑の核心の国会議員や金融監督院職員、大株主に対する捜査が今回の事件の鍵だ。預金を全額引き出した顧客がどのような情報源を利用して情報を得たのか、そして、情報提供者に見返りを与えたのかを徹底的に究明してこそ、中央捜査部の存在理由を証明することができる。

今回の捜査は、中央捜査部の廃止論議にも影響を及ぼさざるを得ない。中央捜査部は、政治権力と高級公務員、財閥などの巨悪を取り除く捜査をしたが、権力の下請捜査という汚名も付いて回った。公正で厳正な捜査で真実を解明してこそ、中央捜査部の存在理由を国民に示すことができる。捜査に聖域が存在するなら、特別検査の論議が起き、中央捜査部廃止論に弾みがつくだろう。

釜山地域の一部議員は、来年まで一時的に貯蓄銀行の預金や後順位債権の全額を保障する預金者保護法改正案を国会に提出した。預金を取り上げられた顧客には同情するが、高収益には高リスクが伴うことは、金融市場の基本原理だ。貯蓄銀行預金の全額保障は、モラルハザードを助長し、金融市場の秩序を壊すポピュリズムという指摘を避けることはできない。