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テクノマート、揺れの原因解明できず 科学界も「理解できない」

テクノマート、揺れの原因解明できず 科学界も「理解できない」

Posted July. 07, 2011 07:51,   

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5日に発生した九宜洞(クイドン)・テクノマートの異常な揺れを巡り、6日、ソウル広津区(クァンジング)が緊急安全点検を行ったものの、明確な原因を解明できず、今回の現象は永遠なるミステリーとなる可能性が高まっている。建物に亀裂が入らず、高層部だけが上下に揺れるのはほぼ不可能に近いからだ。

建物を上下に揺さぶる外部要因には、地震の他に建物下の地盤が崩れ落ちる「地盤沈下」がある。しかし同日、ソウル地域では地震が発生しておらず、建物を揺るがすほどの大規模な地盤沈下も目撃されなかった。韓国地質資源研究院の辛重鎬(シン・ジュンホ)地下空間環境研究室長は、「建物を上下に揺るがすほどの地盤沈下が起きれば、建物の下の階も一緒に揺れる」とし、「必ず、建物に亀裂の跡が残るはずだ」と主張した。

風が建物を左右に揺さぶったのを、上下に動いたと感じた可能性も低い。テクノマートは、風に揺れることがないよう、鉄骨(Hビーム)を使用した「鋼構造」で建築された。韓国建設技術研究院・建築研究部のユ・ヨンチャン首席研究員は、「鋼構造の建物は、風に揺れれば危険なので、当初から動く余地を与えないように設計されている」とし、「揺れを感じるほど、風に揺れた可能性はない」と主張した。

建物が地震で揺れることを減らすため高層に設置する「制震錘」が動いたことによる可能性もない。床から離れ、空中にぶら下がっている錘は、建物が左右に動けば、バランスを取り建物が傾くのを防ぐ。しかし、テクノマート側は、「建物自体が地震に耐えられるよう耐震設計がなされており、制震錘は取り付けられていない」と語った。

目立った亀裂が見られなかった現段階で最も有力とされる原因は、建物内外で発生したゆれが、偶然一部の階を上下に揺るがした可能性だ。全ても物は固有の振動周波数を持っているが、この周波数が一致したり、特定比率で合致すれば、お互いに接触しなくても、ゆれを伝えることができる。同じ長さの音叉二つのうち一つを打てば、他の音叉も揺れて音を出す共鳴と同様の原理だ。もし、テクノマートの内部で発生した揺れが、建物の床の振動周波数に影響を与えたなら、上下に揺れることもありうる。

実際、廣津区役所は、テクノマートの10階の体験型(4D)映画館や12階のフィットネスセンターで振動が発生したかどうかについての調査を行った。4D映画館は、映画の内容によっては数百個の椅子が同時に動くため、揺れを引き起こす可能性がある。フィットネスセンターでも、エアロビクスのように人々が一定間隔で飛ぶなどの運動をすれば、振動が発生する。しかし、これらの振動が階の揺れに影響を与えるという因果関係はまだ明らかになっていない。

漢陽(ハンヤン)大学・建築工学部の崔彰植(チェ・チャンシク)教授は、「後の調査でも異常の兆候が見られなければ、建物の内外で発生した微細な様々な揺れが、相互に影響を及ぼしながら増幅され、偶然、一部の階の床を上下に揺さぶった可能性だけが残る」とし、「明確な原因を究明できない『永久に未解決』という出来事になりかねない」と明らかにした。ソウル私立大学・建築学部の權基赫(グォン・ギヒョク)教授も、「建物が外部の振動に反応し揺れた可能性が高いが、フィットネスセンターや機械室、4D映画館など、全ての施設物を対象に振動周波数を測定するのは容易なことではない」と付け加えた。



jermes@donga.com