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10ウォンのウォン高ドル安なら税収1200億ウォン減、国の財政にも影響

10ウォンのウォン高ドル安なら税収1200億ウォン減、国の財政にも影響

Posted July. 15, 2011 03:06,   

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大学授業料の値下げなど福祉分野の支出が増加し、来年度予算が当初の計画を超える水準になる可能性が強まっているなか、経済成長率の鈍化や対ドルのウォン高が続き、2兆ウォン以上の税収減が予想され、政府の財政計画が見直しを迫られている。

昨年末までは1ドル=1150ウォンで推移していた対ドルのウォン相場は14日、1ドル=1058.4ウォンまでウォン高が進んだ。ウォン高ドル安が流動化している物価の安定化には当面プラスの働きをすることへの期待が高いが、ウォン高が続けば輸入品につく税金が目減りし国の財政に悪影響を与える。さらに米国が量的緩和第3弾(QE)に踏み切る可能性が強まり、国際原油価格や農産物価格などが値上がりすれば、ウォン高ドル安の状況下でも物価上昇の動きは続くだろうと懸念する声が出ている。

●1ドル=1050ウォンなら1兆2000億ウォンの税収減

14日、企画財政部(財政部)によると、2011年の歳入構造を分析した結果、ウォン相場が10ウォンのウォン高ドル安になる度に、税収は1200億ウォンが減るという。輸入品に対する税金はウォン建てで付けているためウォン相場が上昇すれば輸入品の価格が下がる結果となり、それに課される関税や付加価値税の収入も同時に減る。

政府が目標にしている今年の付加価値税収入は、昨年比7%増の52兆9000億ウォン。このうち為替相場に直接的な影響を受ける輸入分の付加価値税は43兆9000億ウォンの上る。また政府は、今年の関税収入は、昨年比6%増の11兆4000億ウォンを目標にしている。

だが、この目標は1ドル=1150ウォンのウォン相場を前提にした目標だ。ウォン相場は、米国の引き続く量的緩和政策によってドル安が急テンポで進み、今年上半期に平均1ドル=1101.23ウォンまでウォン高ドル安が進んだ。民間の経済研究所は、今年下半期のウォン相場について、平均して1ドル=1020〜1030ウォンまで推移すると予測し、ウォン高ドル安の動き下半期にも続くとの見通しを示している。

このため、今年の年間平均のウォン相場が政府の当初の予想より100ウォンほどウォン高ドル安で推移し、1ドル=1050ウォンまで進む可能性も排除できない状況だ。この場合、今年の税収は1兆2000億ウォンほど減る結果をなる。

経済成長率の鈍化も、政府の税収目標達成に影響を与えそうだ。当初「5%以上」を今年の成長率目標としていた政府だが、先月末に発表した下半期の経済運用方向では4.5%に目標を下方修正した。成長率が0.5ポイント下落すれば、税収は5000億〜1兆ウォンが減るという。成長率の低下で所得や消費が減少すれば、法人税や所得税の収入も減少が避けられない。結局、ウォン相場の上昇と経済成長率の鈍化で、税収は2兆ウォン減となる見通しだ。

●輸出マージン、1ドル=1062ウォンが限界

税収の減少が懸念されているにもかかわらず、政府はこれまでウォン高ドル安を事実上容認してきたが、ウォン高が物価の安定化に役立つことを期待していたからだ。

しかし、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が13日、「米国経済の軟調が予想より長引く場合、追加の政策支援を行うこともあり得る」と述べ、量的緩和第3弾(QE3)を実施する可能性に触れたことで、韓国政府内の空気も一変した。

米国の量的緩和政策は、ドル安ウォン高につながるものだ。だが、同時に国際原油価格など原材料価格や農産物価格の高騰につながり、国内物価に悪影響を与える。実際、同日のウォン相場は上昇したが、国際原油価格は一斉に上昇に向かった。国際原油価格など原材料価格や農産物価格が値上がりすれば、ウォン高ドル安による物価安定効果は意味を持たなくなる。

さらに、ウォン高が続けば、輸出企業の被害も無視できなくなる。昨年末、韓国経営者総協会が発表した調査結果によると、大企業が輸出マージンを確保するための最低限のウォン相場は1ドル1062ウォンだった。世界市場で韓国製品の品質競争力が高まり、為替相場による影響は弱くなっているとは言え、為替相場の変動が輸出に悪影響を与えるのは否めない。このため一部では、政府が1ドル=1062ウォンをマジノ線として守ろうとするだろうという見方も出ている。



weappon@donga.com january@donga.com