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住宅賃貸の保証金が2年で8000万ウォンも上昇

住宅賃貸の保証金が2年で8000万ウォンも上昇

Posted August. 06, 2011 06:49,   

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「結婚して住む家を準備できず、無能な男と見られるのがつらい」(結婚を控えたソン氏)

「積み立てもしてそれなりに準備していたが、上昇する保証金のため、追われるように引っ越さなければならない心情を政府は知るべきだ」(会社員の李氏)

資金難で「チョンセ」(韓国特有の賃貸方式で毎月の家賃は支払わず、賃貸保証金のみを預託して一定の契約期間を賃貸する契約方式)で借り家を見つけることができない結婚を控えたカップルが結婚を延期している。

また、天井知らずの保証金が負担になり、職場近くの家を引き払う会社員が増加している。「チョンセ難」の苦しみを訴える庶民の証言は悲鳴に近い。

●家が見つからず、結婚延ばすカップルも

ソウル中区明洞(チュンク・ミョンドン)のある中小企業に勤めるソン氏(28)。彼は先日、結婚を約束した彼女と口げんかした。11月初旬に結婚する予定で、結婚式場まで決めていたが、新婚生活を送る家を見つけることができないためだ。ソン氏は、「結婚式の日取りを延期し、新居をチョンセから家賃に変えて探そうと言ったら、彼女がそれにストレスを感じている。チョンセで家が見つからず、彼女や彼女の母親に能力のない男と見られているようで気が重い」と憂うつな表情だった。

ソン氏がチョンセで家を探しはじめたのは、チョンセ難が絶頂だった今年1月からだ。「両親の援助なく、自分が住む家は自分が準備する」と考え、銀行からの融資を含め5000万ウォンを調達した。不十分な金額であることを知るのに長い時間はかからなかった。その程度の金額では、ソウルで小規模のアパートどころか、ワンルームやオフィステルも探せなかった。

ソウル江南区(カンナムク)全域は手が届かず、銅雀区(トンジャクク)と冠岳区(クァンアクク)一帯を隅々まで探したが、大半が1億ウォンを上回るか、安いところでも7000万から8000万ウォン以上を要求した。江西区(カンソク)に事務所がある彼女の通勤を考え、交通が便利な京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)の一山(イルサン)新都市や安養(アンヤン)地域も調べてみたが、そこでも2人が気に入る家の保証金は、最低でも6000万ウォン以上だった。だからといって保証金が安いところを探して郊外に行くこともできなかった。通勤に2時間以上かかるためだ。

結局、ソン氏は彼女を説得して、チョンセをあきらめて家賃の家を探すことにした。これ以上待ってみても保証金が下がる可能性がなさそうなので、彼女も受け入れた。結婚式の日取りも12月中旬に延期した。ソン氏は、「これまでの政府のチョンセ難対策が効果を上げず、保証金の上昇が続いている。もっと実効性のある案を出さなければならない」と主張した。

●会社近くの家を引き払う会社員

京畿道城南市(ソンナムシ)の盆唐(プンダン)新都市地域のある建設会社に勤める李チーム長(42)は、これまで会社近くのアパートにチョンセで住んでいたが、今年5月、ソウル東大門区(トンデムンク)にある実家に「Uターン」した。2年間で8000万ウォンも上がった保証金が苦しくなったためだ。歩いて通勤していたのが、車で片道1時間30分以上もかかるようになった。

李氏は、外食費やガソリン代を節約して積み立てをし、自分なりに備えてきたつもりだが、予想を越える保証金の上昇に、結局、両手をあげることになった。李氏は、「ソウルに職場があって、チョンセで暮らしていた家主も、上がった保証金を払うために仕方がないと言うので、受け入れるしかなかった。2年間で8000万ウォンを調達することは、平凡な会社員には不可能なことだ」とため息をついた。さらに、「会社員が好む一部の人気地域を中心に、住宅需給の問題が以前から起こっているのに、政府の対策がない。政府はチョンセ難の現場を十分に把握しているのだろうか」と強調した。

●ストップした取り引きにため息をつく仲介業者

「この1ヵ月間、1件の契約も成立しなかった。ハエを追い払うだけだ」。4日、ソウル麻浦区桃花洞(マポク・トファドン)にあるH公認仲介士のチョ氏は、事務所を訪れた東亜(トンア)日報の記者にこのように話した。15年間、公認仲介士として働いてきたチョ氏は、「98年の通貨危機の時より苦しい」と話す。「この付近で比較的立地のいい私の事務所でもこのような状況だ。横道に入っていたり規模が小さな事務所は、もっと難しいだろう」と話した。

チョ氏は、史上最悪の取り引き不振について、保証金の異常な上昇に原因を見ている。政府が、「アパート半額」をうたい、住宅政策を出したことで、無住宅の需要者が申請の機会を待って家を買わず、チョンセを続けるため、チョンセ需要が爆発的に増えたということだ。近隣の専用面積84平方メートルのアパートの保証金が今年に入って平均で3000万ウォンも上がり、入居して2年未満の新しいアパートは、4000万から5000万ウォンも跳ね上がった。チョ氏は、「このように保証金が早く上がったのを見たことがない。新婚夫婦など若いカップルが住む家を探せずに引き返すのを見ると、心が痛い」と話した。



realist@donga.com