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[社説]米国債格下げのショック、実体経済への影響が問題だ

[社説]米国債格下げのショック、実体経済への影響が問題だ

Posted August. 08, 2011 07:54,   

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米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、米国の米長期国債の格付けを最上位の「AAA(トリプルA)」から「AA+(ダブルAプラス)」に1段階引き下げた。米国の格付けの引き下げは、S&Pが設立した1941年以来、70年間で初めてだ。S&Pは、米国の政界と政府が負債上限の増額に合意したが、財政赤字を減らすには不十分な水準だと強調した。過去の他国の格付け引き下げ時と同様に、今回も問題の核心は財政悪化だ。

米国の格付け降格という衝撃的なニュースは、先週、国際金融市場の取引きが終わった後に伝えられた。今日開かれる韓国、日本、中国などのアジアの金融市場がどのような反応を示すか関心が集まっている。米国経済の再低迷や欧州の財政危機の憂慮で、韓国のKOSPI(韓国総合株価指数)が今月2日から5日までの4日間で10%以上急落した。このため、株価の反騰を占う観測が少なくなかったが、新たな大型の悪材のため、不確実性が大きくなった。

米国の格付けの引き下げが、国際経済秩序の混乱につながる可能性にも備えなければならない。「ドル没落の序幕」という分析も出ている。08年の世界金融危機の時は各国が協力して大胆な財政投入で対処した。しかし、米国、欧州、日本などの主要経済圏がいずれも財政不安に苦しみ、追加投入の「実弾」も効果がない。韓国経済にも深刻な悪材だ。国内総生産(GDP)に占める貿易依存度が82%にものぼる韓国経済は、海外発の悪材にとりわけ脆弱だ。米国をはじめとする主要国の景気が低迷すれば、韓国企業の輸出は直撃弾を受け、経済成長率と企業収益、個人所得を引き下ろす悪循環につながる。金融や実体経済の衝撃を最小化するために可能なあらゆる解決方法を模索する時だ。

政府は7日、緊急会議を開き、対策を協議した。3年前の世界金融危機以来の最も深刻な状況を迎え、韓国銀行は当分の間、金利の追加引き上げを自制することが望ましい。物価の管理も重要だが、これにこだわってより重要な対内外の経済均衡を揺るがすことは賢明ではない。金融状況の混沌を機に、海外の投機資本が韓国の金融市場で混乱させる憂慮もある。幸い、韓国の外貨準備保有高が3000億ドル以上なので、投機資本が動き出す兆しが見えれば、保有外貨を活用して、市場の過度な恐怖心理を静める必要がある。

米政府は、「経済を強化し強い財政状況を作るために、我々指導者が一致協力することが重要だ」とし、政界の政争中止と結集を訴えた。韓国の政界も、経済問題に関しては超党派の協力が緊要だ。最近起こった世界各国の経済の危機は、すべて財政不安から始まった。政府、政界、企業、国民が、財政の健全性がどれほど重要なのか警戒心を持たなければならないだろう。