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妊婦の肺損傷死亡「加湿器の殺菌剤が原因の可能性」 保健当局が中間発表

妊婦の肺損傷死亡「加湿器の殺菌剤が原因の可能性」 保健当局が中間発表

Posted September. 01, 2011 07:41,   

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保健当局は今年4月と5月、妊産婦らの間で集団発生し、5人の命を奪った原因不明の肺損傷疾患は、加湿器の殺菌剤のせいである可能性があるという暫定的調査結果を、31日発表した。保健当局は消費者らに対し、加湿器での殺菌剤使用を自粛するよう勧告し、メーカーに対しては、販売を中止し、製品を全品回収するよう要請した。

疾病管理本部は、「原因不明の肺損傷患者が詰め掛けたソウル峨山(アサン)病院の、04年から11年にかけての患者18人と一般呼吸器患者とを調べたところ、加湿器の殺菌剤を使ったとき、肺損傷の危険性が47.3倍も高まった」ことを明らかにした。肺細胞に直接殺菌剤成分を塗る予備毒性実験でも、肺損傷が確認された。

疾病管理本部の権逷郁(クォン・ジュンウク)感染病センター長は、「加湿器殺菌剤のどの成分が病気を引き起こすかは、濃度を確認する危害性評価や動物実験を実施しなければ分からない」と話した。加湿器の殺菌剤に使われる殺菌成分は、3つほどが知られている。殺菌剤の種類によって、成分の濃度は1‾5%と異なる。

これまで、加湿器の殺菌剤は、法的規制を受けなかった。保健当局は今後、薬事法に明記された医薬外品として指定告示し製品基準を設け、管理監督を行うことにした。

一方、国内の加湿器殺菌剤メーカー各社は、政府発表に対し戸惑いながらも、政府方針に従い市場に出回っている製品を全て回収し、製品の発売も無期限延期するという立場だ。国内の加湿器洗浄剤市場は年間20数億ウォン規模と試算され、オキシーが90%以上を、愛敬(エギョン)や中小企業メーカー各社がその残りを占めている。

メーカー各社は協議体を立ち上げ、「加湿器洗浄剤は製品ごとに成分がそれぞれ異なるのに政府はこれについては全く触れず、疫学調査の結果のみを基に問題があると発表し、戸惑うばかりだ」とし、「正確な原因を明らかにしてほしい」と要求した。

一部の肺損傷患者の家族らも、保健当局の疫学調査に疑問を示している。加湿器殺菌剤を使った消費者が大勢いるのに、それに比べ患者数が少ないという。原因不明の肺疾患に関する疑問点をQ&Aでまとめた。

Q:なぜ、妊産婦に多いのか?

A:今年、ソウル峨山病院に原因不明の肺疾患で入院した17人のうち、10人が妊産婦だった。死亡者5人とも全員、妊産婦だった。新生児は適正に湿度を保たれなければならず、加湿器を多く使っている。産婦は、赤ちゃんと一緒に加湿器を使うケースが多く、室内で過ごす時間も同様に長い。また、妊婦の場合、お腹が膨らむと息が苦しくなり、普段より呼吸量が30%ほど増える。毒性物質に同様に露出されても、吸入量はより多い。

Q:ウイルスではないのに、なぜ、季節の変わり目に発病するのか?

A:冬の期間中加湿器を使った後、春に発病したものと見られる。今回の肺損傷の患者らは、平均3、4年の間、毎年4ヶ月間ほど加湿器を使った。水を補給するたびに殺菌剤を混ぜて使ったと仮定すると、毎月ビン1本分の殺菌剤を使ったことになる。

Q:シャンプーや化粧品、ウェットティッシュにも殺菌剤成分が使われているそうだが…。

A:化粧品やシャンプーなどは、単に肌をふき取る程度だ。空気から吸い込まれることはない。肺に毒性物質が吸収される際の静脈注射の原理と似ている。空気中に漂い、肌を通じて吸収される割合と、肺によって吸収される割合とは、大きな違いがある。化粧品に使われる殺菌剤は、関連法令に基づいて安定性が確認されたものであり、安心してもよい。

Q:韓国内製品のみが問題なのか?

A:韓国以外の国ではこのような肺損傷事例が報告されていない。韓国のように、加湿器殺菌剤の使用が一般化した国はほとんどない。今回の調査には、多国籍会社の製品も含まれたが、殺菌剤を使わなかった。殺菌剤のどの成分かが明確に分かるまでは、全ての加湿器殺菌剤の使用は中止した方が望ましい。

Q:加湿器はどのように洗浄しなければならないのか。

A:加湿器殺菌剤を使用する理由は、加湿器の中の水が汚染されれば、蒸気となって出る空気が汚染されることへの憂慮のためだ。面倒ではあるが、1週間に一度は掃除をするのがよい。加湿器を洗浄する際は、まず、手を洗った後、さらに柔らかいブラシを利用し、中性洗剤で隅々まで洗う。洗剤が残らないように、3回以上すすぐ。水は毎日取り替えなければならない。水桶に5分の1ほど水を入れ、十分に振って中まで洗う。2回以上繰り返した方がよい。

Q:加湿器殺菌剤による肺疾患の治療法はないか

A:今のところ、加湿器殺菌剤の使用を避けるのがベストだ。肺が損傷した患者らは、外部の毒素物質による炎症反応が起き、肺胞が堅くなる肺繊維化症状を見せている。高濃度のステロイドを注入する治療法があるが、損傷した肺は元には戻らない。肺移植を受けるしか手がない。



woohaha@donga.com