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通貨の国家間協調の限界、G20中心のグローバル通貨スワップ網で乗り切る

通貨の国家間協調の限界、G20中心のグローバル通貨スワップ網で乗り切る

Posted October. 04, 2011 03:33,   

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韓米通貨スワップ締結のニュースが発表された08年10月30日は、韓米通貨スワップのパワーを遺憾なく示した日だった。同日、ソウル外国為替市場では、政府の圧力にはびくともしなかった輸出メーカー各社が、韓米通貨スワップ締結のニュースにドルを大量に手放し、対ドルウォン相場は1日で1ドルあたり177.0ウォンもウォン高ドル安が進んだ。1日基準では、通貨危機時の1997年12月26日(マイナス338ウォン)以降最大の下げ幅だった。

政府が来月の主要20ヵ国(G20)首脳会議をきっかけに、中央銀行間通貨スワップ網構築に拍車をかけているのも、最近の為替市場の動きと無縁ではない。先月初め、1ドル=1060ウォン台でスタートした対ドルウォン相場は、秋夕(チュソク=陰暦8月15日の節句)連休直後は1ドル=1100ウォンを上回るほどウォン安ドル高が進み、その後も、うなぎ上りに上昇し、1ドル=1200ウォン台に切迫している。

政府は外貨準備高を、3年前より1000億ドル以上多い3122億ドル(8月末基準)を貯めておいたが、グローバル金融市場の不安解消には力不足だった。最近、金融危機防御の最後の砦といわれている貿易収支が急激に縮小し、不安はさらに膨らむ様子を見せている。大統領府は先月、月2回開いていた国民経済対策会議を1年間余りで非常経済対策会議へと変えた。そんな中、08年グローバル金融危機当時、政府が米国と交わした通貨スワップは、昨年2月に期限切れとなり、中国や日本との通貨スワップ規模も大幅に縮小された。

外国為替市場での動きが尋常でない様子を見せると、民間経済研究所などの国内経済界は、政府は韓米通貨スワップを再び締結すべきだという要求を続けた。しかし政府は、「現段階ではそのような意思はない」と淡々とした反応を示している。韓米通貨スワップ推進ニュース自体が、「韓国の外貨流動性に問題がある」というシグナルと、市場に受け止められかねないという懸念のためだ。

政府が、中央銀行間通貨スワップ網をグローバル経済システムの一つとして構築しようと乗り出したのは、このように個別国家間で行われる協力の限界を克服するためだ。急場しのぎの期限付きで開設される韓米通貨スワップでは、周期的に繰り返される外国為替を巡る流動性危機を、有効に食い止めることができない。

政府が構想している通貨スワップ網は、東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(韓国、中国、日本)が参加するチェンマイイニシアチブ(CMI)のグローバル版だ。CMIとは、14ヵ国の中央銀行が危機時にすでに合意した範囲内で、自国通貨を提供し、参加国からドルの供給を受ける方式で、計1200億ドル規模に上る。財政部の関係者は、「グローバル通貨スワップ網は、G20を中心にシンガポールなど、一部の国が追加で参加する方式で、ドルよりは自国通貨を相互に交換する形になるだろう」と語った。

しかし、最終的な妥結まではまだ変数が多い。英国やフランス、日本、国際通貨基金(IMF)が積極的な協力を約束しているが、自国負担が大きいと思う米国やドイツが懐疑的な見方を示しているからだ。しかし、グローバル金融危機時の3年前とは違い、米国や欧州の財政が底を打った今回の危機では、新興諸国を国際協力に引き出すためのアメが必要で、先進諸国の立場の変化が期待されるのが現状だ。

何よりも、中央銀行間通貨スワップが構築されれば、グローバル的不均衡を解消できるという意味で魅力的だ。延世(ヨンセ)大学・経済学部の金正錝(キム・ジョンシク)教授は、「新興国と発展途上国が金融危機時に、外貨の急激な離脱に備える目的で、過度な外貨準備高を貯めていた問題を解決できる」と主張した。通貨スワップを通じ、グローバル的金融安全網が構築されれば、新興国と途上国は、外貨準備高の拡充に苦心する必要がなくなり、経常収支の黒字だけに拘る理由も減り、グローバル貿易不均衡問題の解決に貢献するだろうという。

一方、政府は、G20首脳会議で、IMFの役割を追加で拡大する案も、主要議題として推進していることを明らかにした。財政部の関係者は、「1、2年間単位に定まっているIMFの融資期間に、3、6ヵ月単位の融資を追加する方式で、金融危機に柔軟に対応する案が協議されている」と話した。これと共に、「危機の兆しのある国が、危機説の拡大を懸念し、救済金融を申請できなくても、IMFが職権で判断し、支援を行う案も合意を目前にしている」と付け加えた。



bae2150@donga.com weappon@donga.com