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[オピニオン]2兆ウォン寄付したパチンコ王の韓昌祐

[オピニオン]2兆ウォン寄付したパチンコ王の韓昌祐

Posted November. 07, 2011 06:04,   

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フィギュアスター、金姸兒(キム・ヨンア)選手が出場する国際大会のテレビ映像には、「マルハン」というハングル広告版がたびたび目に付く。日本最大手のパチンコ企業の広告だ。同社のオーナーは、在日韓国人の韓昌祐(ハン・チャンウ)氏(81)。氏は日本の長者番付22位の富豪であり、財産総額は計1320億円に上る。現在の為替相場では2兆ウォンに迫る金額だ。否定的なイメージの強いパチンコ店で大金持ちとなった氏は、文化が奨学事業に積極的に乗り出している。事故で亡くした長男の名前からとったハンチョル文化財団は、韓国の歴史や文化を広報する仕事をやっている。故郷の慶尙南道泗川(キョンサンナムド・サチョン)に、計50億ウォンを拠出し、貧しい生徒らに対し、奨学金を支払っている。

◆氏は1945年10月、15歳の時、日本行きの密航船に身を任せた。持ち合わせていたものは、英日辞書1冊と米2合が全てだった。氏は日本で、勉強で成功したかったが、大学を卒業してもなかなか就職ができなかった。結局、親戚が経営するパチンコ店に従業員として入った。氏は、「マルハンイズム」という経営理念を掲げ、業界トップの座についた。人材育成や正直さで勝負をかけた。

◆マルハンが1992年、大卒新入社員を公開採用した際、志願者はわずか4人だった。氏は、人材難を乗り切るため、従業員らに対し、マルハンは賭博ではなくエンターテインメント会社だという認識を植えつけた。全ての店舗の売上を毎日、自動に税務当局に入力させ、不法の無いクリーンな会社であることを示した。このような努力を受け、最近は一流大学の出身者らが入社する企業へと変わった。氏は、「日本人に勝つためには、2倍も働き、より正直でなければならなかった」と打ち明けた。80歳を超えた氏は最近、全ての財産を韓国と日本の友好発展に向け出すと宣言した。

◆韓国と日本で、在日韓国人はどちらからも正当な待遇を受けなかった。氏が、パチンコ業に飛び込んだのは、日本では在日韓国人の身分では就職することも、他に金を稼げる方法もなかったからだ。韓国も同様に、在日韓国人を快く受け入れてくれる安息所ではなかった。両国のため、全てを手放すという氏の意志に、喜びを感じながらも、一方では在日韓国人らの二重的な現状が気になる。韓氏の寄付が、在日韓国人社会を、韓国と日本で新たに認識するきっかけになることを願う。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com