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[オピニオン]ロッテマートの「シニア社員」

[オピニオン]ロッテマートの「シニア社員」

Posted January. 10, 2012 06:48,   

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定年退職がない代表的な職種は自営業だ。最も歴史が長い自営業者と言える自営農の場合、年を取ると筋力が落ち、所出も減る。しかし、少なく収めた分、少なく使うことで満足するのなら、大きな問題はない。どうしても全盛期の収穫量が必要な状況なら、さらに働けばいい。定年後を心配するサラリーマンが多い。職場でも年を取り生産性が落ちると、その分少ないサラリーで健康が許す限り働くというやり方で勤務できたら、それは本当にいいことだろう。

◆労動研究院によると、55歳以上の勤労者の生産性は34歳以下の1.8倍の水準だ。賃金は05年の基準で3倍程度だ。経験が多くなるほど仕事が上手になるが、賃金上昇が生産性向上を大きくリードするという意味だ。このような不一致が解消されない以上、企業は高齢勤労者を首にしたいという誘惑に駆られざるを得ない。定年延長はさらに厳しいことである。この問題を解決するために考案されたのが賃金ピーク制だ。一定年齢以上になると、給与を削る代わりに、雇用を保証する。国内でも金融業界や公企業で一部施行されているが、まだまだ少数だ。企業と勤労者がお互いに「大きな譲歩」をしてこそ定着できるだろう。

◆引退後、主に非営利公益機関が提供する「社会貢献職」へ行くことも上々な選択だ。しかし、経済的余裕のある人に限られる。本当に深刻なのは、「100歳時代」が近付いている中、引退後も勤労収入が必要になる無銭老年の階層だ。年金があったとしても十分ではなく、定年退職と年金受領開始までの間に数年間の空白がある。

◆ロッテマートが今年から56〜60歳の引退者を年間1000人程度採用する計画を発表した。彼らは60歳までは「シニア社員」という職群に所属され、インターネット注文商品を売場で選び配送先へ送る「オンラインピッカー」や会計収納のような仕事をする。61歳になると、顧客案内、物品案内、事務業務の単純補助をする「シルバー社員」に転換し、体力次第では70歳まで勤務できる。ロッテマートは来月1日から全国95の店舗別に随時採用する予定だ。ロッテマートの老人への配慮が他の企業に広がることを期待する。

虚承虎(ホ・スンホ)論説委員 tigera@donga.com