中国が離於（イオ）島が自国の管轄海域の一部であるとして海洋監視船や航空機を動員した定期的なパトロール対象に含ませた。離於島は、韓半島最南端の馬羅（マラ）島から西南１４９キロの水中岩礁である。韓国と中国の排他的経済水域（ＥＥＺ）が重なる位置にあるが、韓国領土に遥かに近い。中国側の最寄有人島である서산다오台からは２８７キロ離れている。韓国は２００３年、離於島に３６メートル高さの海洋科学基地を建設し、研究員が常駐している。韓国の領有権が明白である離於島に、中国が経済力と軍事力を振りかざしてちょっかいを出すのは覇権主義的な振る舞いである。
中国は最近、国防戦略を大陸中心から海洋軍事力を強化する方向へ転換させている。海洋防衛の境界線である第１列島線（沖縄−台湾−フィリピン）と、第２列島線（サイパン−グアム−インドネシア）の設定には、太平洋制覇を狙った中国の野心が垣間見える。今年就役する中国初の空母「ワリャク」は、軍艦外交の代表的な事例である。中国は、昨年には１５年ぶりに初めて軍艦２隻を元山（ウォンサン）港に送り、東海（トンヘ）進出に意欲を示した。
次第に強まる中国の領有権主張に対抗するためにも、済州（チェジュ）海軍基地は必ず必要だ。中国は、南シナ海では東南アジアの国々と、尖閣列島（中国名・釣魚島）では日本と紛争中だ。離於島で問題が発生する場合、韓国海軍が釜山（プサン）から出動すれば２３時間、寧波から出発する中国東海艦隊は１８時間がかかる。済州海軍基地が完成すれば、韓国は８時間で現場に着くことができる。軍作戦で出動時間は勝敗を左右する決定的な要因となる。
済州海軍基地は、韓国の貿易における海上輸送量の９０％以上が通過する済州航路を保護するためにも、切実である。離於島付近海域には、最大で１０００億バレルの原油と７２億トンの天然ガスが埋蔵されているものと推定されている。中国が昨年７月、離於島周辺に官公船を送ったのに続き、管轄海域だと主張している背景には資源確保への思惑もある。
済州海軍基地を反対する運動家たちは、平和至上主義者や環境保護論者を名乗っているが、結果的に中国と北朝鮮を助けているのだ。この辺で、無責任な妨害活動を止めるべきだ。済州海軍基地の建設を反対することは、国の安全保障と国益の放棄を主張するも同然だ。
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