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「打ち上げ後に核実験の可能性」 北朝鮮遠心分離機目撃の米専門家が予測

「打ち上げ後に核実験の可能性」 北朝鮮遠心分離機目撃の米専門家が予測

Posted March. 22, 2012 08:22,   

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「北朝鮮は長距離ロケットの打ち上げは正当な権利だと言うが、全世界でただ北朝鮮だけがそう考えている。北朝鮮にこれ以上のミサイル発射も、核実験も、遠心分離機の開発もさせてはならない」

米スタンフォード大学のジークフリード・ヘッカー教授は20日、釜山(プサン)で開かれた「2012太平洋沿岸国原子力会議」で記者団に対して、「北朝鮮の長距離ロケットの打ち上げは、2・29米朝合意を愚弄するものだ」としてこのように述べた。米ロスアラモス国立研究所長所長も務めた世界的な核物理学者であり、北朝鮮核の専門家だ。10年11月に北朝鮮のウラン濃縮用遠心分離機を直接目にし、世界に公開した初の西欧の専門家でもある。これまで計7回にわたって訪朝した。

——北朝鮮の李容浩外務次官は19日、中国・北京で「2・29合意と衛星打ち上げは別問題」であるとし、米朝合意違反ではないと主張した。この主張に同意するか。

「ロケットの打ち上げは、ミサイルと同じ技術を使用する。北朝鮮は、国連の対北朝鮮制裁でこの技術の使用を禁止されている。また北朝鮮は、2・29合意でミサイルを発射しないと約束した。とんでもないことであり、合意を愚弄している。北朝鮮が核兵器を作らなかったなら、ロケットを打ち上げる権利もあっただろう。しかし、核兵器を持った上でロケットを打ち上げることは国連制裁違反であり、つじつまが合わない話だ」

——北朝鮮がロケット打ち上げを事前に計画していたとすれば、なぜ2・29合意に同意したのだろうか。強硬派と穏健派の対立があるのか。

「それは政治的な質問なので回答できない」

——北朝鮮はロケット打ち上げ計画にもかかわらず、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れると明らかにしたが。

「米国が発表した2・29合意には、『核施設のモニタリングとIAEA査察団による検証』まで言及されているが、北朝鮮の発表には『モニタリング』だけが言及されている。正確に何を意味するのかは不明だ。今回の2・29合意は重要ではあるものの充分ではない。なぜなら、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)のほかに別の濃縮施設を持っているためだ。タイムテーブルを逆算すれば、北朝鮮が10年にウラン濃縮を成功したと発表した時、寧辺の濃縮施設はまだ稼動準備も終わっていない状態だった。別に施設があると見ざるを得ない理由だ。北朝鮮はIAEA査察団を招待し、『高濃縮ウラン(HEU)はなく、原子力発電に必要な低濃縮ウラン(LEU)だけがある』と言って(査察団を)証人にしようとするだろう。過去にイランもそうした」

——北朝鮮が遠心分離機の存在を公開して1年半が経った。この間、ウラン濃縮技術で核兵器をどのくらい増やしたのだろうか。

「北朝鮮がどれだけ遠心分離機を持っているのか分からないため、核兵器の数を言うことはできない。明らかなことは、北朝鮮が寧辺以外にも施設を持っており、そこでHEUを生産するということだ。北朝鮮はIAEA査察団を招待しても、このHEU施設を見せるはずがない。すでに北朝鮮は核兵器を持っているため、さらなるミサイル発射も、核実験も、遠心分離機の生産もできないようにしなければならない」

——北朝鮮が長距離ロケットを打ち上げる理由は何か。ミサイルに搭載する核弾頭の小型化作業が最終段階だという意味か。

「必ずしもそうではないが、その危険もある。北朝鮮が核弾頭を持つことになれば、全世界の誰に対しても威嚇することができる。そのため、北朝鮮が3回目の核実験をできないよう阻止しなければならない。09年の『光明星2号』打ち上げの時そうだったように、長距離ロケットを打ち上げた後、核実験をする可能性がある。ロケット打ち上げが憂慮されるというよりも、ロケット打ち上げに続く核実験によって、核弾頭の小型化が憂慮される。北朝鮮は10年、私を招待する1ヵ月前の10月に、(労働党創建65周年パレード)移動型ムスダンミサイル(SS−N−6)を公開した。旧ソ連の潜水艦搭載ミサイルを模倣したものだが、このミサイルに核弾頭が搭載されれば、非常に脅威的だ」

——訪朝の計画はあるのか。

「ない。北朝鮮から招待されていない」

——北朝鮮が核兵器を放棄すると考えるか。

「短期的には悲観的で、長期的には楽観的だ。最終的に北朝鮮が、核を維持して得る利益よりも放棄した方がより大きな利益を得られるということを知れば、放棄するだろう。しかし、短期的には悲観的だ。2・29合意で一歩前進し、北朝鮮が後ずさりをしたのを見よ。数年間、長距離ロケットの打ち上げ計画を進めてきた北朝鮮は、『宇宙の平和的利用』や『人工衛星打ち上げ』の権利を主張する。しかし、ただ北朝鮮がそう考えるだけで、世界のすべての国はそうは考えない」



shcho@donga.com