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[オピニオン]「要注意人物」金斗官

Posted June. 08, 2012 08:24,   

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昨年半ば、親盧系(盧武鉉前大統領系)の座長格である李海瓚(イ・ヘチャン)氏が、韓明淑(ハン・ミョンスク)、文在寅(ムン・ジェイン)、金斗官(キム・ドゥグァン)氏らに会って、親盧系内部の交通整理をした。この席で、文在寅氏を2012年の民主党の大統領選候補に、金斗官氏は次期(2017年)大統領選候補に推そうという話が出た。李海瓚氏は、「2017年に、私が金斗官選挙対策委員長を引き受ける」と言ってムードを盛り上げたという。しかし、李海瓚氏の考え通りの構図はまとまらなかった。金斗官氏は、2012年の大統領選挙に直行することを悩み始めた。権力の意志は他人と分けることができないためだ。

◆文在寅氏と金斗官氏は親盧系だが、歩んできた道が違う。文在寅氏は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の家臣グループで、「主流」に分類される。金斗官氏は、里長を経て長官まで上りつめた「自手成家」型で、自ら「非主流」と卑下する。金斗官氏側は、「文在寅氏と違って、私たちは絶えず困難な現実を切り抜けてきた」と差別化を図った。金斗官氏は現在53才で若い方だ。しかし、5年が経てば、親盧系からは安熙正(アン・ヒジョン)、李光宰(イ・クァンジェ)氏ら「386」世代が主導する可能性がある。金斗官氏が2012年大統領選を控え、背水の陣を敷こうとするもう一つの理由だ。

◆2010年、慶尚南道(キョンサンナムド)知事選挙で、金斗官氏は無所属で出馬した。慶南では民主党勢が劣勢なため、個人の競争力で勝負をする方がいいと判断した。与党からは「政治初年兵」である李達坤(イ・ダルゴン)候補を推し、反射的利益を得た。金斗官氏は、長年の地域活動で、築き上げた親しみを前面に押し出し、得票率53.5%で当選した。セヌリ党の前身のハンナラ党の牙城である慶南の橋頭堡が崩れると、与党に「金斗官警戒令」が発動された。

◆金斗官氏は7日、「(7月中旬ぐらいに)出馬宣言をすることになれば、準備した政策を国民に発表する」と明らかにした。そして、トレードマークのようになった「里長から大統領府まで!」の人生ストーリーを強調した。事実上、大統領選出場の意向を明らかにしたわけだ。セヌリ党は、金斗官氏が歩んできた経歴、大統領選の勝負所である慶南出身であり、庶民的なイメージに注目している。盧前大統領によって、ひっくり返された2002年の「悪夢」を思い出す人もいる。民主党の別の大統領選候補も、金斗官氏の動きに神経を尖らせている。与野党は表には表さないが、内部では金斗官氏を「要注意人物」と見ている。

鄭然旭(チョン・ヨンウク)論説委員 jyw11@donga.com