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[オピニオン]セヌリ党の維新観

Posted September. 01, 2012 07:30,   

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全泰壱(チョン・テイル)氏の焼身自殺は、朴正熙(パク・チョンヒ)政権が維新を宣言する2年前の1970年に起きた。朴槿恵(パク・クンヘ)セヌリ党大統領選候補が和解と統合の意味で全泰壱財団を訪れようとしたが、遺族の拒否と双龍(サンヨン)自動車労働者の制止を受け、引き返した。維新は単なる過去のことではないようだ。作家の孔枝泳(コン・ジヨン)氏は最新作『椅子遊び』で、双龍自動車の労働者の話を始める前に、全泰壱氏の死を取り上げた。キム・ジョンイン・セヌリ党国民幸福特別委員長は、朴候補が双龍自動車の労働者に会うべきだと主張した。李在五(イ・ジェオ)セヌリ党議員は、「私が訪ねて手を差し出せば和解と統合になるという考えは、傲慢な独裁者の発想だ」とし、「和解には、まず何が違うのか、その距離を縮めなければならない」と述べた。

◆維新は、朴正熙元大統領の長期政権欲の結果と見るのが一般的だ。朴元大統領自身は、北朝鮮からの安保危機を掲げて維新を行った。後代に維新を経済的に説明しようとする人々の中で擁護する側は、第1、2次経済開発に続く重化学工業の育成に向けた政治力集中の必要性を提起する。一方、批判する側では、経済危機を暴力的な労働弾圧を通じて解決しようとする試みだと分析する。

◆朴槿恵候補陣営の選挙対策委員長だった洪思徳(ホン・サドク)元議員は維新について、「輸出100億ドルの達成を目標に、重化学工業を育成するための措置だった」と擁護した。そして、5・16については、「朝鮮建国は、鄭夢周(チョン・モンジュ)に尋ねれば易姓革命だが、孫の世宗(セジョン)にとってはそうでない」とし、「クーデターと革命は大差ない言葉だ」と述べた。鄭夢準(チョン・モンジュン)セヌリ党議員は、「維新は経済発展のための措置」という洪元議員の主張を「国民を幸福な豚と見るのか」と批判した。5・16を軍事革命と言って維新を批判することはできず、また、維新を批判して5・16はクーデターでないと言うことも難しい。朴候補の悩みもここにあるのかも知れない。

◆精神分析学者のフロイトは、エディプスコンプレックスこそ歴史発展の原動力だと考えた。子どもが父親を越えなければ、子どもは父親の世界にとどまってしまう。父親を批判してはいけないというのは家族の倫理だ。治者になろうとする人が、家族の倫理にとらわれては困る。朴候補が5・16と維新を子どもの目で見ることから抜け出す時、国民のことが目に入り、国民統合の道も見えるだろう。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com