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[社説]自国の侵略主義を叱咤する日本の識者1270人

[社説]自国の侵略主義を叱咤する日本の識者1270人

Posted September. 29, 2012 07:30,   

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ノーベル文学賞受賞者の大江健三郎をはじめとする日本の知識人1270人が、独島(ドクト、日本名・竹島)と尖閣諸島(中国名・釣魚島)の問題に対して、「領土問題の悪循環を止めよう」と自省の声を上げた。彼らは28日、東京で声明を発表し、「今回の問題が近代日本のアジア侵略の歴史に背景を置いているという点を忘れてはならない」と強調した。日本が過去に目を向けず、周辺国との対立を招き、その結果、各国に民族主義が高揚し、領土問題へと突き進む危機の悪循環を阻止しようというのが声明文の核心内容だ。

急速に右傾化に突き進む日本社会で、過去の侵略主義の歴史を直視することを求める勇気ある発言には、本島等元長崎市長、平和憲法を守る「九条の会」の高田健事務局長らが賛同した。独島問題も日本の侵略の歴史から始まった。日本の識者は、「日本の竹島編入は、韓国が最も弱く、外交的に主張ができない時に行われた」として不法性を認めた。しかし野田佳彦首相は、「韓国が竹島を不法占拠している」と妄言を吐いている。次期首相として有力視される安倍晋三自民党総裁は、「政権を獲得する場合、『河野談話』と『村山談話』を修正する」と公言した。野田首相と安倍総裁は、「韓国国民にとって、独島は侵略と植民地支配の象徴」という日本の識者の忠告を重く受け止めなければならない。

日本の識者が、北東アジア地域の排他的民族主義を憂慮したことに対しても共感する。彼らは、民族主義が国内の矛盾の排出口として権力者に利用されることを警戒し、領土問題の平和的解決を主張した。日本の代表的な作家である村上春樹氏も28日、朝日新聞に寄せたエッセーで、「北東アジアで、多くの人々による地道な文化的達成を領土問題が大きく破壊してしまうことを恐れる」とし、「領土問題が国民感情の領域に踏み込んでくると、出口のない危険な状況を出現させる」と指摘した。韓中日3国が民族主義の感情に包まれてはならないという日本の識者の訴えは原則的に正しい方向だ。韓国社会も、これまで3国が築き上げてきた信頼と協力の関係は最大限守っていくという原則を持って、周辺国との問題に接近する必要がある。

日本の識者の呼びかけは、自国民だけでなく、韓国と中国にも極限対立に突き進む領土問題を理性的に眺めるきっかけを提供した。何よりも日本の保守政治家が変化した歴史認識を示してこそ、解決の糸口を見いだすことができる。