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保険詐欺、10人中1人だけが懲役刑

Posted January. 25, 2013 07:34,   

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11年2月、チョン某氏は、債務のために自宅が競売に掛けられる危機に置かれると、5つの傷害保険に加入した。それから、左手の小指を切断し、「モールディングをやっていたところ、カッターに指を切られた」と主張して、3000万ウォンの保険金を受け取った。ほかの保険会社に対しても、計1億6000万ウォンの保険金を請求したが、彼の保険詐欺行為は尻尾を捕まえられることとなった。

裁判所はチョン氏に対し、懲役10ヵ月の判決を下したが、執行猶予で釈放した。同じ種類の前科が無く、情状酌量するだけの事情があることを考慮しての判決だった。

チョン氏のように、保険詐欺の犯罪者10人中1人のみが実刑に処されることが分かった。「甘い処罰」で終わる事例が多く、刑事処罰を強化すべきだという指摘が出ている。

金融監督院が24日発表した「保険犯罪刑事判例の分析」資料によると、11年1月から12年末までの保険詐欺に関する211件の刑事裁判で、796人が処罰を受けた。

このうち、罰金刑を受けた被告は574人(72.1%)で最も多く、執行猶予が138人(17.3%)だった。懲役刑を受けた犯罪者は84人(10.6%)に過ぎなかった。彼らが不当に受け取った保険金は144億ウォンと、1人当たり1800万ウォンだった。

自動車保険と関連した犯罪者が651人(81.8%)であり、1人当たり900万ウォンの保険金を受け取った。半分以上(370人)は、正式な公判無しに略式命令で軽い罰金処分を受けた。複数の人たちが共謀して故意に事故を起こしたケースが多く、そのため、1人当たりの保険金は少なく、軽い処罰を受けたのだ。

残りの145人は、生命や臓器損害保険関連の犯罪者であり、1人当たり6000万ウォンの保険金を受け取った。彼らは保険金を狙って、殺人や放火などの強力犯罪を起こしたり、長い間常習的に虚偽入院する手口を使ってきた。

保険金を狙って、外国からつれてきた妻を殺害した事件もあった。基礎生活受給者の40代のカン某氏は08年、カンボジア人女性と結婚した後、妻を被保険者として、計6つの生命・火災保険に加入した。

10年3月、睡眠誘導剤「ゾルピデム」を飲ませて、こん睡状態に落としたあと、自宅に火をつけ、1億8000万ウォンの死亡保険金を受け取った。さらに、ほかの保険会社各社に対し11億ウォンの死亡保険金を請求したが、警察によって摘発された。裁判部は、カン被告に対し、懲役20年刑を言い渡した。

金融監督院(金監院)の関係者は、「保険詐欺が徐々に増えているが、その大半は罰金刑や執行猶予に止まり、犯罪予防効果が小さい」とし、「刑事処罰のレベルを高めなければならない」と強調した。

金監院は、211件の裁判のうち、時宜性のある判例50件をまとめた「保険犯罪に関する刑事判例集」を、警察などの関係機関に配布する予定だ。



constant25@donga.com