Go to contents

[オピニオン]北侵説

Posted September. 10, 2004 22:09,   

한국어

「韓国戦争は、1950年6月25日未明に北朝鮮軍の全面的な南侵で始まった」という事実は、韓国人なら誰もが知っている常識だ。ところが一角では、この常識を拒否する動きが起きている。ある在野団体のホームページに韓国の北侵説を主張する北朝鮮の資料が登場したことによる発言だ。「歴史が見た朝鮮戦争」、「歴史の告発」というタイトルの膨大な資料集を掲載した人は、ネチズンがこれを読んで北侵説を信じると期待したのだろうか。資料は別にして、戦争を身をもって体験した世代がしっかりと目を見開いているのにだ。

◆この他にも、この団体の掲示板には注目に値する文が並んでいる。「労働新聞の社説、論説、正論集」、「以南における米帝侵略軍の罪行資料」、「韓民戦中央委9月9日祝賀文」「ああ、私の太陽(金正日総書記人物論)」など、タイトルだけを見ても親北朝鮮的な内容であることが一目で分かる。まるで北朝鮮が直営するサイトのような印象を与える。一体どんな人物が失敗した北朝鮮体制をそのように熱心に擁護するのだろうか。

◆6・25戦争(韓国戦争)を誰が先に仕掛けたのかについて、学術的研究では北朝鮮の南侵説、韓国の北侵説、「誰が戦争を始めたかは重要ではない」と見る修正主義の見解がある。6・25戦争を「米国と李承晩(イ・スンマン)大統領の共謀による北侵に対抗した民族解放戦争」と規定した北朝鮮の主張は、旧ソ連で発掘された幾多の資料ですでに以前から嘘であることが立証されている。著書「朝鮮戦争の起源」で北侵説を支持するような論理を展開した米シカゴ大学の修正主義学者ブルース・カミングス教授も、先日訪韓した際に「私は北侵説を主張しなかった」と立場を変えた。

◆このように明白な歴史的真実を否定する北朝鮮の宣伝をインターネットに流す人々の意図は何か。社会的混乱を煽り、葛藤を助長しようとすること以外には考えられない。だとすれば、そのような人々はムチでいさめなければならない。サイバー空間の自由も重要だが、手網を解いた自由は我々が生きる共同体を危険に落とし入れる恐れがあるためだ。当局は、インターネットに泥水をはねるドジョウ狩りに乗り出さなければならない。

宋文弘(ソン・ムンホン)論説委員songmh@donga.com